今月はじめに北京ではファインアート展が開かれたりして、芸術の秋で盛り上がってます。実は都市部だけではなく、この動きは中国国内各地で広がっているようです。先週、吉野さんが取材に行った安徽省銅陵市で第一回銅陵国際銅彫塑芸術展が行われました。
銅陵は安徽省の中南にあり、長江のすぐそばに位置する市で、面積が1113平方キロメートルに74万人が住む、小さな町です。しかし、小さいと言えども、ここには豊富な資源があります、町の名前からもわかりますが、古代から銅がとれる場所として知られています。銅のほか、鉄、金、銀など8種類の鉱物がとれるので、「銅陵の8つの宝」といわれています。紀元前の時代に銅の採掘がはじまり、長い歴史を持つ銅陵市ですが、現在地元政府は、さらなる発展をめざして対外開放をすすめています。国内のみならず海外の知名度を上げるために、毎年青銅文化博覧会と題した一大イベントが開かれているんです。今年で11年目になり、新しい試みとして、第一回銅陵国際銅彫塑芸術展がおこなれました。
これは、海外で活躍する彫塑作家を募集し、その作品を銅陵市市内の公園に設置するというものなんです。海外から600点の作品の応募がありました。これらの作品の中から、地元政府により35点が選出されました。開幕式の前日に、芸術展企画担当の方にお話を聞きました。銅を経済資源としてはなく、文化資源として現代に生かそうという積極的な態度がうかがえますね。
実際にこの芸術展に参加したアーティスト18人は中国国内の方、ほか17人は世界各地からの方々です。例えば、ドイツ、スイス、アメリカ、カナダ、セルビア、そしてもちろん、日本の方もいます。東京で創作活動をなさっている彫刻家の朝野浩行さんです。朝野さんは、現在、東京学芸大学の準教授も努められています。朝野さんが出展した作品は「傘をさす女」です。しずく型のやわらかいフォルムで女性のやわらかい体を表現しています。その上にちょこんと小さな傘が乗せられています。
実は、朝野さんは、北京オリンピックの際にもモニュメントを創作しています。今回の銅陵市の作品を含むとあわせて5点の作品が中国国内にあるということで、今後も中国での創作には意欲を燃やしているということですから、今後も楽しみですね。
最近は中国の職人さんも技術が向上していて、そのわりに国際的に見て、コストが安いので、わざわざ中国の工場に発注している作家さんたちもいるということです。いい職人や、技術をもった工場にめぐりあうというのも大切な要素ですね。銅陵市は、この職人技術の強化なんかも行えば、税術の分野で知名度が跳ね上がるかもしれません。中国、芸術の分野でまだまだ大きな発展がのぞめそうです。ちなみに、今回、芸術展に出展した作品は、すでに銅陵市内にある、国際銅彫塑芸術園という大きな公園内に設置され、市民の目を楽しませています。(『イキイキ中国』より 10/28)
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