金融危機の背景下で、国際資本の流動、海外投資及び買収、合併活動が急激に萎縮する中、中国の対外直接投資は大きな伸びを見せています。関係方面の予測では、今年の中国の対外直接投資額は1500億元となり、初めて対内投資額を上回る見通しです。
中国産業海外発展計画協会の範春永常務副会長はこのほど、北京での記者会見で、中国経済の30年に及ぶ急速な発展で、中国企業は大量の資本を蓄積してきており、海外投資がより低コストでより高利益を獲得できるとなれば、これらの資本が海外流出することは自然なことだと述べました。
経済のグローバル化水準の上昇に伴い、中国はグローバル生産プロセスや世界生産ネットワークに幅広く参入するようになっています。供給チェーンと市場の安定を維持し、外的要因の不測の変化が経営活動全体に不確実性をもたらすことを回避するため、中国企業には海外に投資するという戦略的ニーズが生まれています。
同時に、世界金融危機の背景下で、現在多くの国が深刻な資金不足という苦境に立たされており、外国資本のニーズが生じ、またコストは低水準で、各国政府の外国資本への流入制限も緩和されています。これは、中国企業の海外投資や買収合併などにチャンスをもたらしています。
そのほか、人民元の上昇も中国の大規模な対外直接投資を促す上で重要な要因となっています。
スタンダードチャータード銀行は、2009年の中国の対外直接投資は1500~1800億ドルに達し、一方で同年の対内直接投資は800~1000億ドルとなると予想しています。したがって、今年の中国の対外直接投資額は初めて対内直接投資額を上回る見通しとなりました。これにより、中国の対外直接投資はすでに「初級段階」から「急速発展期」に入り、中国の世界経済における役割は「製品の生産者」から「資本輸出者」に歴史的な転換を遂げています。
中国の対外投資の発展を推進し、中国企業の海外進出のプラットフォームを構築するため、中国産業海外発展と計画協会の主催による第1回「中国対外投資協力商談会」が、今年11月3~4日に北京で開催されます。中国で対外投資だけを内容とする展示、商談会はこれが初めてとなります。同商談会には、世界100カ国あまりの政府機関、世界企業ベスト500社、有名金融機関、仲介サービス機関及び商会が出席する予定。(人民網より)
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