中国では、食品安全に関する法律、「食品安全法」が2月28日、中国の立法機関である全人代常務委員会で可決されました。この法律は、生産と販売の二つの面で不安全な食品に対する回収制度を確立しました。
「食品安全法」は、「政府は食品回収制度を確立する」として、「食品メーカーがその食品が食品安全基準に合わないことに気づいた場合、直ちに生産を停止するとともに、すでに出荷された食品を回収し、販売者と消費者に情報を公開し、回収情況と情報公開の情況を記録すべきだ」としています。
法律はまた、「食品の販売者は食品安全基準に合わない食品を販売していることに気づいた場合、直ちに販売を停止するとともに、食品メーカーと消費者に伝え、販売停止と情報伝達の情況を記録すべきだ」と定めています。
食品安全法制定の過程で、一部の全人代常務委員が「食品回収制度を実施するためには、メーカーの自覚に頼るだけでなく、政府の責任も明確化しなければならない。メーカーが自主的に回収しない場合、政府はメーカーが問題となる食品の回収を指示すべきだ」と指摘しました。このため、「食品安全法」はまた食品回収制度における政府の責任も明確なものにしました。
食品の安全も守るため、「食品安全法」は、監督管理部門はいかなる食品に対する検査免除を実施してはならないと定めています。また、県クラス以上の品質監督や商工行政管理、食品薬品監督管理などの部門に、食品に対して定期あるいは不定期にサンプリング検査を行うことを要求しています。
この法律によりますと、中国は食品安全リスクのモニタリング制度を確立し、食品による疾患、食品汚染、及び食品中の有害物質に対してモニタリングを行うことになっています。これと同時に、食品安全リスク評価制度を確立し、食品や食品添加物に対してリスク評価を行うということです。これにより、食品にある潜在的なリスクを見出し、予防することができるからです。
「食品安全法」はまた、有名人が出演したCMが大衆に大きな影響を及ぼすことにかんがみ、食品CMに対する管理も強化しています。タレントやスポーツ選手ら有名人が出演した広告の食品に問題が生じた場合、有名人も食品メーカーの経営者と共に連帯責任を負う規定が新たに盛り込まれました。
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