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中国、保護貿易主義の被害を

2009-04-07 15:24:08     cri    

 このような教訓を何回か経験した後、張社長は輸出取引をする際、慎重になっています。

 「その後、取引をする際、特にヨーロッパの輸出業務をする際、前もって、あらゆる資料や文書を準備する。このような問題が出るとき、必ず即時に速く対応しなければならないから。商品の資料をすべて準備するのは、裁判にかけることに備えているのだ」。

 実は、製品の競争力が大きくなり、市場での占有率が高くなるにつれて、中国は輸出をめぐるトラブルも多くなっています。資料が示しているように、中国は11年連続して反ダンピング調査を最も多く受けた国になり、それによる損失は300億ドルと400億ドルの間にあります。さらに、世界経済の成長が鈍くなった今、貿易保護主義の被害を受けるようになっています。このほど、アメリカやEU、インド、ブラジルはそれぞれ中国から輸入する鋼材や機械部品、玩具、タイヤなどに対して反ダンピング税を大幅に徴収して、輸入禁止されたものもあります。

 反ダンピング調査、反補助金調査のほかに、ますますの多くの国は基準を高めることによって、中国製品の輸入を制限するようになりました。激しい市場競争の中で育成された中国企業も絶えず製品の質を高め、輸入国の日増しに厳しくなった需要を満足させることで、市場でのシェアを確保しようとしています。中国の大型食品加工企業、山東省の龍大食品グループはその中の1つです。龍大グループの製品は主に日本へ輸出していますが、日本が輸入製品に対する検査基準が非常に厳しいものです。その需要に適応するため、龍大グループは日本が輸入製品に対するさらに厳しい食品検査基準を打ち出す前に自社の検査基準の向上を図るようになり、製品の質を高めようとするのです。

 これについて、龍大グループの宮学斌社長は次のように述べました。

 「相手の需要を理解するため、わが社は2005年日本へ3人を派遣した。また、2000万元以上を投入して、日本の検査基準に基づいた設備を購入した。日本では6、700項目を検査して、とても厳しいが、龍大のこの設備で同じような項目が検出できる」。

 宮社長は「安全に日本の基準に従って生産したので、日本への輸出は持続的な成長が見られると共に、自社のブランドも作れた。金融危機の下で、ますます多くの日本人が品質がよく、値段の安い食品を買おうとするので、会社はその中から利益が得られるだろう」として、今年の対日輸出が上昇するだろうと楽観視しています。

 龍大グループと同じ、ますます多くの中国企業は貿易保護主義に対応する最も効果のある方法は自社製品の品質を高め、国際基準に合わせることです。また、一部の企業は貿易障壁を避けるために相手国で子会社を作り、製品の現地生産を実現しています。これと同時に、一部の企業は政府の内需拡大に巨額な資金を投入したというビジネスチャンスを見出し、会社成長の重点を海外から国内に移転しました。

 企業が貿易保護主義に対応するため、あらゆる手段を尽くしていると同時に、中国企業へのダメージを削減するため、中国政府も前向きな取り組みをしています。中国政府は貿易保護主義に反対し、貿易保護を実行しないことを行動で証明しています。今年2月、中国の陳徳銘商務相は自ら200人以上の企業家グループを率いてドイツ、スイス、スペイン、イギリスのヨーロッパ4ヵ国を訪問し、一連の貿易投資に関する検討、商談及び買い付け活動を行いました。今回の買い付けの発注総額は100億ドルを超えたということです。

 中国のやり方と違って、このほど、一部の国は自国の経済を救うため、ほかの国を差別する政策を打ち出しました。たとえば、買い物をする際、国産品しか買えない、リストラは外国人のみだという規定があります。さらに、中国商品のみ制限する規定もあります。そのうち、アメリカ議会がこのほど採択した資金拠出法案では、中国からの鳥肉輸入を制限することを明記しています。このような国家主導の新たな保護貿易主義は苦境にある中国輸出企業にとってさらなる打撃を与えるに違いありません。

 中国国務院発展研究センター対外経済研究部の張小済部長は、この傾向を食い止めなければ、世界経済も今回の保護貿易主義の被害者になるとして、次のように語りました。

 「保護貿易主義がこのままエスカレートすれば、被害者は中国企業、中国の労働力輸出だけではなくなる。中国は輸入国でもあるので、中国に輸出している国も被害を蒙るに違いない。だから、保護貿易主義は世界的な災難をもたらすものである。中国に対するものではなくて、グローバル化に対するもの、世界あらゆる国に対するものなので、皆で一緒に反対するべきだ」。

 一部の国が実施している中国に対する保護貿易主義について、中国の一部の専門家や企業家が強硬な手段を取るよう求めています。あるインターネットの調査では、9割以上の調査を受けたネット利用者は政府が仕返しリストを作成すべきだと考えているようです。このような見方に対して、江蘇省小天鵝株式会社の柴新建社長は違う考えを示しています。

 「WTOの枠組み内で、基本貿易規則に基づいて物事を運ぶべきだと思う。仕返しは必ずよい結果になることに限らない。保護貿易主義は全体的に言えば大衆の支持が得られないもので、保護貿易主義を実施している国の輸入業者も反対している。これは内部で調整するものだと思う」。

 中国商務省も貿易報復をしない考えを明らかにしました。

 専門家は「歴史から見れば、経済後退の1、2年後は貿易保護主義のピークで、そのため、現在の保護貿易主義はまだ芽生えの段階にあり、この後の1、2年の間に引き続き成長する」として、「これに対して、中国は冷静に対応して、輸出拡大や多国買い付け、企業の海外直接投資への奨励など前向きに取り組んで、保護貿易主義に反対しなければならない」と提案しています。(翻訳:ヒガシ)


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