このほど中国海軍が通告を発表し、今月の10日から15日にかけて、東海海域で実弾演習を実行することを明らかにしました。演習期間中、漁船を含めたすてべの船舶は、通行禁止となり、安全を確保するため、海軍の警戒艦艇の指揮に従わなくてはなりません。
この通告の発表が、海外からの注目を集めています。
このような禁漁、訓練演習の通告は毎年出されていますが、なぜ、今年は注目されているのでしょうか。それは、演習の時期が原因だと見られています。
日本の野田佳彦首相は7日、釣魚島の安定と管理を維持するため、関連島嶼の購入と国有化などについて、総合的に検討していると表明しました。これを受けて、中国外務省の劉為民報道官は「中国の神聖な領土は、いかなる人による売買も断固として禁じる。中国政府は、引き続き必要な措置を講じて、釣魚島及びその付属島嶼の領有権を断固維持していく」と、強い姿勢を示しました。
これを背景に、一部のメディアは、「今回、中国海軍が東海海域で実施する軍事演習は、日本政府が示した『釣魚島購入』発言への応えだ」と指摘しています。これに対して、中国の軍事専門家のイン卓少将は、「これは根も葉もない連想だ」と、反発しています。
イン少将は「釣魚島問題は数十年間続いている問題で、一時的に生じた問題ではない。海軍のこの海域での演習も、毎年数回行われている。また、演習について海軍側は年明け前に、企画や経費の申請、許可などのマニュアルを済ましている。もちろん対象は特定していない」と述べています。
ここ数年、中国軍隊は、毎年東海で定例の軍事演習を行っています。実施時期は、天候の状況によって微調整されたりはしますが、ほぼ夏の終わりと秋の初めごろとなっています。範囲にも大きな変化はありません。しかし、今回は、「日本の釣魚島購入騒ぎ」にちょうどぶつかる恰好になりました。これについて、中国国防大学戦略研究部の梁芳大佐は、「これはまったくの偶然だ」と話しています。
また、専門家は「中国の国防戦略は平和を求めている。定例の軍事演習は終始、ある国またはある地域の争いを特定していない。東海での演習は、海軍の作戦能力を保持するためだ」と見ています。イン少将は、「こういった演習の目的は、中国が堅持している防衛的な国防政策に求められているものだ」と強調しています。
イン少将は「われわれの演習は、領有権や海洋権益を侵犯した側を特定している。この立場は鮮明で、どの国も同様だ。東海海域での軍事演習は、われわれが堅持している防衛的な政策に則って実施している。演習は防衛的なもので、攻撃性のものではない」と強調しています。(朱丹陽 中原)
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