2日、海洋2号衛星の軌道上での引き渡し式が北京で行われました。これにより、海洋2号は研究開発を請け負った中国航空科学技術グループから国家海洋局に引き渡され、正式に稼動することになります。海洋2号衛星は成功裏に打ち上げられた3基目の海洋衛星であり、初の海洋環境観測衛星でもあり、多くの面で世界の先端レベルに達しています。この衛星の稼動により、海洋事業や海洋経済の発展が促されることに期待が寄せられています。
海洋2号衛星プロジェクトは、「中国民間航空"第11次五ヵ年計画"」の重点プロジェクトです。中国国家海洋局の陳連増副局長によりますと、この衛星の稼動は海洋事業や海洋経済の発展に大きな役割を果たすだろうということです。陳副局長は、「まず、衛星は24時間体制で大量かつ貴重な海洋動力環境に関するデータ、例えば、波、海面水温など、これまで打ち上げられた2基の衛星では入手できないデータを得ることができる。これらは、海洋環境保護、科学研究などの重要な支えとなる。第二に、津波、高潮などの極端な海洋現象をモニタリングすることが可能で、海洋変動予測、早期警戒、災害予防などにも重要な役割を果たす。第三に、漁場の情報を取得し、漁業資源の開発利用に技術的なサポートを提供できる」と紹介しました。
中国国家衛星海洋応用センターの蒋興偉主任は、「海洋2号衛星は技術イノベーションを通じて、衛星リモートセンシング技術の向上を実現した。特に衛星測位システムの精度において世界の先端レベルに達している」とした上で、2周波共用のGPSやレーザーによる測位方法により、その精度は2-3ミリを実現できる。DORIS (衛星測位システム)にレーザーをあわせた測位方法も2ミリから3ミリの精密で測位を実現した。フランスの精密測位と比べて、海洋2号衛星の技術はすでに世界の先進レベルに達しており、国内の精密測位における技術の空白を埋めた」と述べました。
海洋2号衛星はコアパーツの独自研究・独自開発を実現し、中国の衛星用キーパーツおよびコアパーツの独自研究・独自開発能力を高めました。同時に、宇宙探査機デジタル集積回路設計システムを通じて、衛星の設計、研究、生産の過程ですべてデジタル技術が応用され、衛星の研究と製造における情報化レベルを向上させました。
海洋2号衛星は今後、すでに稼動中の海洋1号と共に、それぞれマイクロ波と光学の二つの観測手段により、海洋動力環境のモニタリングと海洋資源探査を行い、立体的なモニタリングシステムを構築することにより、対地観測衛星の探査能力およびモニタリング能力が大幅に向上することが期待されます。国家海洋局の陳連増副局長は「今後、中国の海洋衛星は、科学研究段階から実践段階に移る」と述べ、「今後は海洋衛星シリーズの発展を図る。その主な方向は実践化、つまり海洋衛星を研究開発から実践段階に移すことだ。これは中国の海洋モニタリング能力の向上に大きな役割を果たすだろう。この他、海洋衛星の応用レベルを高め、応用する分野と範囲を拡大していく。国家海洋局は海洋衛星の主な利用者として、その他の利用者によりよいサービスを提供していく」との方針を示しました。(ooeiei、中原)
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