日本の菅直人首相は26日の午後、民主党の代表を正式に辞任することを表明しました。これを受け、与党の民主党は29日に代表選を行うことを決定しました。新代表選出に伴い衆参両院本会議での首相指名選挙は30日となる見通しです。
今月10日に菅直人首相は、自らが退陣条件に掲げた「公債発行特例法案」と「再生エネルギー特別措置法案」の成立後に退陣することを初めて明言しました。そして26日にこの2つの法案の成立を受けて、同日の午後に民主党役員会で「民主党の代表を辞任し、新代表が選出された後に首相の職を辞する」と述べました。14ヶ月の執政について菅首相は、「与えられた厳しい環境のもとでやるべきことはやったという思い」と述べました。また、後継者を選ぶ民主党代表選挙で候補者に求めることについて、「物事を先送りするのではなく、難しい問題でも自らの責任で進めていく人がリーダーとしてふさわしい」と述べました。
菅首相が自分の執政ぶりに満足の意を表したのとは反対に、日本のメディアの評価はマイナス的なものばかりです。「『退陣劇』は6月2日の意向表明から3カ月近くに及ぶ異例の展開」や「外交を含む政治空白に加え、民主党内の亀裂も拡大。『居座り』がもたらした損失は計り知れない」など厳しい言葉が並んでいます。
このほか「産経新聞」の記事では「天災を人災に変えた首相」と政権運営を自賛した首相を非難し、「東日本大震災は間違いなく未曽有の天災だった。東京電力福島第1原発の事故も歴史的惨事だといえる。ただ、その前後に日本を襲った多くの不幸な事象は首相が起こした人災ではなかったか」と指摘しています。
一方、ポスト菅をめぐる代表戦の戦いはすでに始まっています。民主党代表選が27日に告示され、前原誠司前外相、野田佳彦財務相、馬淵澄夫前国土交通相、海江田万里経済産業相、鹿野道彦農林水産相の5人が立候補を届け出ました。5人の立候補のうち、野田佳彦財務相が最有力とされていましたが、前原氏の出馬表明を受け、状況は一転しました。党内の影響力、経験、知名度、支持率などで、前原氏がほかの立候補より大幅にリードしているため、世論は前原氏が新首相になる可能性が高いと見ています。
一方、立候補した海江田氏が小沢一郎元代表が率いる党内最大勢力や鳩山由紀夫前首相のグループの支持を得ているため、選挙戦は、菅政権の中枢を占めた主流派を支持基盤とする前原氏と、海江田氏の争いを軸に展開される見通しです。
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