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 「東アジアの文化と平和」、等身大の異文化理解を

2011-05-11 22:25:20     cri    


昼休みの呈茶風景

 「第6回パネルディスカッション―東アジアの文化と平和」(社団法人茶道裏千家淡交会、中国日本友好協会、中国人民対外友好協会、日本国際連合協会の共同主催)が11日、北京で開催されました。10日の「第6回東アジア茶文化シンポジウム」に続いて、裏千家の主導で行なわれた交流イベントの第二弾です。

 茶道裏千家前家元の千玄室大宗匠(国連日本親善大使・日本観光親善大使・日本国連協会会長)と中国日本友好協会・中国人民対外友好協会の井頓泉副会長がそれぞれ挨拶しました。その後、明石康元国連事務次長による基調講演が行われ、中日韓三カ国のパネラーによるパネルディスカッションが行なわれました。

 日本各地の裏千家支部、および、ソウル、大連、天津にある支部代表者と大学生の茶道学習者からの質問も交えながら、活発な自由討論も行なわれました。進行役は、韓日文化交流会議韓国側委員長のキム・ヨンウン氏で、パネラーは明石氏のほか、元韓国外務大臣のチェ・ソンホン氏、元中国文化省次官の劉徳有氏、天津外国語大学学長の修剛氏の4人が務めました。

 
千玄室大宗匠               明石康氏

 千玄室大宗匠は、10日のシンポジウムの成果に満足の意を示し、「平和は、戦争や紛争の終了でやってくるものではない。人々の心の中に安定と豊かさが育まれる事、それを社会や地域や国が環境的に実現することこそ平和だ」と強調しました。

 それに対して、井頓泉副会長は、「国と国の付き合いは国民の親交にあり、国民と国民の付き合いは心を知り合うことにある」と語り、文化交流が東アジア各国国民の相互理解と友好増進に果たす役割に期待を寄せました。

 基調講演とその後の自由討論において、明石氏は、「20世紀は戦争の世紀だった」と振返り、「21世紀は、人権や平和など普遍的価値と国家主権の両立と調和を目指す時代だ。超国家的課題や脅威が増えている中、日中韓を含む東アジアにおける地域協力が不可欠だ」と指摘し、「アジア地域には、多様な歴史と文化、宗教と言語、伝統と習慣がある。平和は、互いの違いを認めつつ、その尊重に基づくものでなければならない。すべての国が他国から学びあい、すべての文化が互いに刺激しあうことで、人類は豊かになっていく。21世紀の東アジアが、文化交流の活性化により、知性と情操面で豊かになっていくことを期待する」と国連在任中の実体験を交えながら話をしました。

 なお、劉徳有氏は「『和』の実現のため 広げよう交流の『輪』を」と題されたスピーチで、日本の侘び茶の起源およびその美意識である「わび」、「さび」への理解を和歌を取り入れながら分かりやすく説明し、「文化こそ、絶えず相互理解を深めるための近道だ」として、中日韓三国の間で、茶文化交流を含めた文化交流が大々的に展開されることに期待を寄せました。

 元韓国外務大臣のチェ・ソンホン氏は、「平和は文化に基づいたもので、文化の最高形態である」と訴え、「文化に基づかない平和は、せいぜい『擬似平和』に過ぎない。文化は、平和状態で成長・発展する一方、平和を守り、平和を強固にしていく役割も果たせる。東アジアは、形成されつつある平和と交流環境をきっかけに、和して同ぜず、小異を残して大同につくことを基調に、伝統的な文化コンセンサスと東アジア文化の再生を図っていかなければならない」と語り、政府に依存するのでなく、民間主導の多層的交流を提案しました。


記念撮影

 天津外国語大学学長の修剛氏は、異文化交流と日本語教育の立場から議論を展開し、等身大の異文化観察の大切さを力説しました。修氏によりますと、中国本土の日本語学習者は今68万人いて、韓国に次いで世界2位ですが、そのうち大学での学習者は40万.8000人で世界最多となっています。また、「これまで中国の日本語教育は、語学力の向上を中心に行なわれてきたが、これからは茶文化をはじめ、日本文化の真髄を学び、より高い次元の文化理解を通じて異文化コミュニケーションの力の向上を図るべきだ」と呼びかけています。

 なお、第7回東アジア茶文化シンポジウムおよびパネルディスカッションは、来年、香港で開催される予定だということです。(王小燕)国際・交流へ

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