ロシア緊急事態省の12日の統計によりますと、ロシアで発生している森林火災は当日の朝までに578ヶ所から545ヶ所に減りました。ロシアの森林火災状況が好転したことを受けて、メドベージェフ大統領は、この日、ヴラジーミルスカヤ州などの三つの州で実施していた緊急実態を解除しました。
発生各地の火の手はコントロールされていますが、火災によるスモッグはロシアのいくつかの州の生態環境に影響を与え、大気の質も落ちています。特にモスクワとその周辺地域は、これまで2週間スモッグに包まれました。ロシアの関連部門の観測によると、スモッグが一番ひどい時の一酸化炭素の濃度は正常値の6倍以上を越え、ほこりも2倍以上となっています。ですから人々は外出の際はマスクなどをつける必要があります。
その後9日から南西の風が北風に変わったため、スモッグは消え始めています。ロシア気象部門の12日の報告によりますと、スモッグは一時的に消えたとしても、モスクワとその周辺地域の生態環境はよくなっておらず、大気中の酸素の含有量は、正常値より27%少なくなり、高温天気も続くということです。専門家は、今週末、風向きは、また東の風や東南の風に変わり、モスクワ郊外の森林と沼地の火災で起きるスモッグは再びモスクワを覆うということです。
ロシアの森林火災がもたらした深刻な気候の変化について、世界自然基金の生物学者は、「これらの火災で多くの二酸化炭素が大気に入り、気候の変動を加速させる。二酸化炭素の濃度が上がることによって、天候のバランスが崩れ、熱い天気がさらに続き、より多くの自然火災が起きうる」と指摘しました。科学者は、火災で生まれた二酸化炭素は大気に残り、今後の30年内により多くの二酸化炭素を出すと見ています。一部の気象学者によりますと、ロシアの森林と沼地で発生した火災によるスモッグは、褐色雲の気団となり、アジアと南アメリカの住民の健康に影響を与えます。また、この褐色雲の気団が北極に移動すると、北極の氷解けを加速させる可能性があります。
そして、いま一酸化炭素と二酸化炭素の環境と人体への影響より、森林火災による放射性物質の汚染拡大が懸念されているのです。ロシア森林管理部門は11日、「西部にあるチェルノブイリでの原子力発電所事故の影響を受けたブリャンスカヤ州では、6日森林火災が発生し、焼失面積は数百ヘクタールに上っている」と発表しました。
ロシアのショイグ緊急事態省相は、このほど、「ブリャンスカヤ州で森林火災が発生すれば、放射性物質の放射レベルは上る」と述べたことがあります。
またブリャンスカヤ州林業局の局長は11日「森林火災のため、ブリャンスカヤ州では放射レベルが上る可能性が高い。したがって林業局と消防部門は森林火災の再発防止に力を入れている」と述べました。
このほかロシア緊急事態省の責任者は、12日「ブリャンスカヤ州の土壌の中の放射物の放射状況は正常範囲にある」と発表しました。
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