ロシアのラブロフ外相はアメリカ訪問を続けています。ラブロフ外相は今回の訪問でNATO・北大西洋条約機構との緊張関係を緩和させ、ロシアとアメリカの関係を修復するほか、「戦略攻撃兵器削減条約」について改めて協議し、今年の夏、両国の指導者が首脳会談を行う準備をするとみられています。
ロシア外務省の発表によりますと、ラブロフ外相はアメリカ訪問の間、クリントン国務長官と会談するほか、アメリカ議会の有力議員と会談し、カーネギー国際平和基金で講演する予定です。11日、ラブロフ外相は国連安保理が開く中東問題閣僚級会議に参加するほか、中東問題4者会談、つまり、国連、アメリカ、ロシアとEUの会合に出席します。
アメリカのオバマ大統領は、6日ラブロフ外相と会談しました。この会談は、事前に発表されませんでしたが、メディアに注目されました。アメリカのメディアによりますと、オバマ大統領が、ラブロフ外相と会談する目的は、グルジア問題で緊張しているロシアとNATOの関係を緩和させることにあるそうです。
NATOの一部の加盟国は、6日、グルジアで1ヶ月にわたって行われる合同軍事演習をスタートさせました。ロシア側は、この軍事演習が、ロシアへの公然とした挑発であるとして、19日に開かれる予定だったロシア・NATOサミットを取り消しました。しかし、軍事演習の前の日、グルジア政府は、この軍事演習を阻止しようとする一部の軍人による反乱を収めたと発表し、ロシアがこの反乱を支持していると指摘しました。これに対し、ロシア側は否定しました。そのほか、ロシアとNATOは、それぞれ相手国の外交官を追放し、双方の関係をさらに緊張させました。この一連の摩擦の中で、アメリカはロシアと直接対立していませんでしたが、アナリストによりますと、NATOとロシアの関係がさらに緊迫したことはアメリカとロシアの関係にマイナスの影響をもたらしているということです。
ラブロフ外相のアメリカ訪問のもう一つの目的は、「戦略攻撃兵器削減条約」に関する新しい合意を達成するための交渉です。オバマ大統領は、4月1日、G20ロンドンサミットに出席した際、ロシアのメドベージェフ大統領と会談し、新しいラウンドの戦略兵器の削減に関する交渉の開始に合意しました。また、双方は「戦略攻撃兵器削減条約」が今年末に失効する前に、この問題についての新しい協議が達成できるように希望しています。
ロシアとアメリカの関係は少し改善されているようですが、この2つの大国は、いろいろな問題で利益がぶつかっています。例えば、NATOの東への拡大、アメリカの東ヨーロッパでのミサイル防衛システムの配備、ロシアとグルジアの衝突などの問題があります。両国は、これらの問題で激しい交渉を繰り広げると見られています。(担当:任春生)
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