中国商務省は31日、北京で「モスクワのチェルキゾフスキー市場閉鎖事件はほぼ解決された。これをきっかけに、中ロ両国は税関の管理を強化し、"グレー通関"と呼ばれる不正な税関通過を共同で取り締まり、貿易モデルの転換を図っていく」との方針を発表しました。
チェルキゾフスキー市場はモスクワで中国人業者が最も多い市場として知られていましたが、今年6月29日、ロシアの関係機関が突然市場を閉鎖したことで、多くの中国人業者が経済的損失を受けたほか、中国国内の貿易関連企業の輸出にも影響が出ました。
中国商務省欧州局の孫永福局長は31日の記者会見で「ロシアにある中国総商会によると、すでに95%の商品が市場から運び出された。コンテナで1万5000個に及ぶ商品の価値は50億ドルに上っている。ほとんどは持ち主に返されているが、残り5%の商品は9月上旬までに処理する予定だ」と説明しています。
市場の閉鎖事件については、不正な税関通過問題が主因とされています。1990年代初頭の旧ソ連解体後、ロシア各地の市場で商品供給が逼迫したため、政府は大量の輸入を余儀なくされました。輸入を奨励し、税関手続きを簡素化するため、ロシア税関委員会は輸入代理業務を行う企業の設立を許可しました。このサービスが「グレー通関」と呼ばれていました。しかし、その不正行為が不安定的な要素となり、中ロ貿易にますます悪影響を及ぼしていました。
孫永福局長は今後の措置について「まず、国内での税関への申告などロシアの輸出業務をより適正化し、ロシアとともに、不正通関関連会社の中国での違法な商業活動を取り締り、正規の通関手続きを浸透させていく。第2に、国内企業やロシアにある中国企業がロシアの法律を遵守するよう指導する。第3に、両国の貿易モデルを転換し、適正化された営業ネットワークを形成して、中国企業がロシア進出を考えるようにする」と語りました。
関係筋によりますと、中国の陳徳銘商務相とロシアの経済発展・貿易相は両国の貿易の適正化についていくつかの点で合意に達したということです。不正税関通過会社の摘発のほか、ロシア側は、市場閉鎖事件の善後処置にも全力で当たっています。これについて、孫永福局長は「閉鎖事件は一段落したが、今後の課題はまだ多い。そのためには両国の努力が必要だ。ロシア側も事件解決のため関税を引き下げることを表明した。中国も、これに合わせて関連する体制を健全化していく」と強調しました。(翻訳:コオリ・ミン)
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