温家宝首相は北京で9日、日本民主党の中日関係における前向きな立場を高く評価し「日本の新内閣とともに、両国の戦略的パートナーシップをさらに深めていきたい」と語りました。また、中日関係の専門家は「今後、中国政府は民主党が率いる日本の新政権にかなり期待していることが温首相の発言で分かった。民主党政権は中日関係の推進に新たな条件を作った」との考えを示しました。
民主党の鳩山由紀夫代表をはじめとする新政権は16日から正式に発足します。9日中国を訪問した日中経済協会代表団と会談した際、温首相は、日本の新内閣と交流を強化し、相互理解を深め、中日両国の戦略的パートナーシップをさらに推し進めていきたいとの意向を明らかにし、鳩山代表との早い時期での会談にも言及しました。これについて、中国社会科学院日本研究所の高洪副所長は「中国政府は、日本との関係を重視し、特に新政権に多くの期待をしている。両国がこれまで築き上げてきたパートナーシップには将来性がある。新政権がこれを踏まえて、両国関係を推進していくよう期待している」と語りました。
高副所長によりますと、中国側の期待は、政府要人の靖国参拝に反対するなど歴史問題での民主党の立場に基づくものだということです。また、高副所長は「民主党は、歴史問題においてはっきりとした立場を取っている。外交問題において、アメリカよりだった自民党の外交理念とは異なり、民主党は、アメリカとの関係を配慮しながら、アジアの隣国との外交関係も重視している。これは、北東アジア地域の経済協力にプラスとなり、政治的安定にも有益な要素がたくさんある」と強調しました。
さらに、温首相は、日中経済協会代表団との会談で「中日両国は主要な経済体であり、お互いに重要な貿易パートナーでもあるため、手を携えて金融危機に立ち向かうべきだ」と述べました。これについて、高副所長は「全般的に見れば、両国が協力して経済危機に対応していくことは、当面の課題である。両国政府は、お互いに経済での依存度や補完性を十分理解している。だから、政治上の信頼に基づく経済協力、貿易協力、それに、技術協力には大きな可能性がある」とした上で、幾つかの問題でのあつれきについて「領土問題で意見の食い違いや、東中国海協力問題など解決されていないものも多い。双方の社会制度の違いから、文化や価値観の面での相違点も多い。特に、国民の間で理解が不十分なところがたくさんある」と指摘しました。両国関係の安定的な発展を確保するために、大きな目標を見据えながら協力を優先して推進し、問題を冷静に処理していかなければならないと強調し、「偶発的な事件や意見の食い違いのある問題について両国首脳は冷静に対処し、対話によって解決すべきだ」と述べました。(翻訳:コオリ・ミン)
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