オバマ大統領は18日、アメリカを訪問中のイスラエルのネタニヤフ首相と会談しました。これは両国首脳就任後に行われた初の会談です。双方はパレスチナとイスラエルの和平プロセスやイランの核問題、両国関係などについて討議しました。双方は積極的な姿勢を示したものの、中東問題で意見の食い違いを見せました。
2時間にわたった会談の中、オバマ大統領は、アメリカの対話意図に積極的に対応するようイランに希望しました。イランがこれを無視すれば、アメリカはイランの核計画に対する国際的な制裁を一段と拡大していく可能性があります。パレスチナとイスラエルの和平プロセスで、オバマ大統領は中東和平交渉を再開する時期になったと見ています。一方、ネタニヤフ首相は、「イスラエルはパレスチナと交渉を再開する用意がある。しかし、いかなる協定もイスラエルを独立したユダヤ国家として承認する原則に符合しなければならない」と述べ、オバマ大統領の提出したユダヤ人入植地建設の中止問題を避け、「2国共存」案について態度を示しませんでした。
会談では注目点における双方の立場の違いが目立ちました。オバマ大統領は中東和平プロセスに注目していますが、ネタニヤフ首相はイランの核兵器開発抑制はパレスチナとイスラエルの衝突の解決にとってより重要だと見ています。イスラエルは現在、イランをまず脅威とみなし、これに同様に注目するようアメリカに希望しています。イスラエルの社会調査の結果、66%のイスラエル人はイランの核脅威に対処するそのほかの措置が効果をあげなければ、イランに軍事行動を取ることを支持する、としています。しかし、イスラエルのこうした憂慮はアメリカにとって、大きな共鳴を呼びませんでした。当然ながら、イラン核問題の解決はアメリカ外交政策の重点の一つです。しかし、イランの核計画に対して、アメリカとイスラエル両国の注目点は違っています。イスラエル安全部門は、イランが数ヶ月内に核実験に十分な濃縮ウランを持っていると見ています。アメリカの専門家は、イランが少なくとも、2010年にまで、これが出来るようになると見ています。
オバマ大統領はイランと交渉するつもりですが、イスラエルはアメリカがイランの核開発計画を黙認していくことを心配しています。
当面、アメリカは2国家案を出来るだけ早く受けるようパレスチナとイスラエルに呼びかけていきます。オバマ大統領はネタニヤフ首相と会談後の記者会見で、「2国案の下で中東和平プロセスは一定の進展をあげた。これはイスラエルとパレスチナの利益に合致するだけではなく、アメリカや国際社会の期待でもある」と述べました。しかし、ネタニヤフ首相は2国案やパレスチナ国家樹立などに触れませんでした。
専門家は、オバマ大統領にとって、ネタニヤフ首相はイスラエルとパレスチナ和平プロセスにおける障害であり、同盟者ではないとしています。ネタニヤフ首相にとって、オバマ大統領はイスラエルとイランの間に入り込み、イスラエルに対する最大の脅威であるイランの核計画問題の早期解決に影響していると見ています。
(翻訳:トウエンカ)
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