いくつかの挫折を乗り越え、18日、ガザ地区は停戦に向け大きな進展を遂げました。現在、各関係方面の姿勢や動向から見れば、パレスチナとイスラエル双方が自制を保てば、ガザおよびその周辺地域の情勢は一段と改善される見込みです。
現地時間の18日午前2時、イスラエルがガザ地区で一方的停戦を宣言した後、ガザ地区の情勢は基本的に安定しています。しかし、ガザ地区のパレスチナ武装勢力は時折り、イスラエル国境内にロケット弾や迫撃砲を発射して、これまでに合わせて10個以上にも達しました。同日午前、ガザ地区北部では、イスラエル軍とパレスチナ武装勢力がイスラエルの一方的停戦以来はじめて交戦し、パレスチナ武装勢力側は1人が死亡し、1人が負傷しました。同時に、イスラエル軍と政界の指導者は相次いで談話を発表し、襲撃事件に関心を示し、停戦情勢の不安定さを強調する共に、ハマスの攻撃に対応するため、必要な場合はハマスへの打撃を拡大する権力を保留するとの考えを示しました。今後の情勢は予断を許しません。
18日の午後、停戦をめぐる交渉に参加したハマス側のタハ代表はカイロで「ガザ地区で1週間にわたる停戦を即時に実施する。この期間に、イスラエルがガザ地区から撤退し、ガザ地区周辺の税関をすべて開放し、人道救援物資の輸送を保障し、地元住民の基本的な生活要求に応えることを求める」と強調しました。この表明はジハード・イスラム聖戦組織などガザ地区のパレスチナ武装勢力に支援されました。同日夜、シリア亡命中のハマス政治局のムーサ・アブ・マルブーク副議長は声明を発表し、「関係各方面特にエジプトやトルコ、シリア、カタールなどガザ地区の停戦に向け調停した結果を受けいれ、ハマスの要求に合致する停戦で合意し、ガザ地区に対するイスラエル封鎖を永久的に解除していくつもりだ」と述べています。
その後、イスラエルはガザ地区から撤兵を開始しました。イスラエル軍の報道官は「一方的な停戦の決定に基づいて、一部のイスラエル軍は18日に、すでにガザ地区を離れ、ガザ辺境の隔離フェンス周辺まで退いた」と強調しました。
同日夕方、バラク国防相、リブニ外相、最大野党リクードのネタ二ヤフ議長らイスラエルの政界要人は、オルメルト首相がイスラエル訪問中のフランスやイギリス、スペイン、ドイツ、イタリアの5カ国の指導者を歓迎するパーティに出席した際、「出来るだけ早くガザ地区から撤退することを考えている。パレスチナ武装勢力がイスラエル南部へのロケット弾攻撃を停止し、現地の安定が確保されれば、イスラエル軍は全面的に撤退する」との考えを表明しました。また、イスラエルの閣僚によりますと、今後、重大な突発的事件がなければ、イスラエル軍はイスラエル時間の20日夜9時、つまり、アメリカのオバマ大統領が就任する前までに、ガザ地区から全面撤退し、就任するオバマ氏に友好的な姿勢を示すということです。イスラエルは、リブニ外相とアメリカのライス国務長官が署名した覚書に基づいて、ガザ地区での武器密輸やテロ取締りなどでアメリカとの協力を引き続き強化していく考えを示しています。
関係者は、今後、イスラエルとハマスがガザでの安全対策やガザ周辺の税関の開放などの問題をめぐって話し合いを進め、停戦による最大の利益を得るため双方が国際的な支援を求めていくと見ています。(翻訳:トウエンカ)
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