イスラエル軍は27日から、イスラム原理主義組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区のガザ地区に対する大規模な空爆を実施しています。
29日まで、およそ300回にわたる空爆を受けたガザ地区では320人以上が死亡し、1400人以上の人がけがをしました。
一方、29日午前、ハマスはイスラエル領内に向けたロケット弾攻撃を行い、イスラエル人20人余りを死傷させました。
29日午後、イスラエル軍の地上部隊が集結し、侵攻の準備を整え、待機しました。
ハマス側は「イスラエルが侵攻を停止し、ガザ地区周辺の検問所を再開しなければ、ハマスは停戦交渉に参加せず、応戦していく」との意向を示しました。
イスラエル軍の大規模なガザ空爆は中東情勢に大きな影響を及ぼしています。
イスラエル政府のアラブ人閣僚と議員はガザ地区に対する空爆とハマスによるイスラエル領内へのロケット弾攻撃の停止を呼びかけました。
空爆で中東和平交渉の前進に向けたエジプトとヨルダン両国の外交斡旋が困難になっています。
28日、ガザとエジプトの国境にあるラファ検問所付近でパレスチナ難民数百人が越境しました。
パレスチナ自治政府のアッバス議長が来年1月9日に任期切れになっています。
空爆を受け、パレスチナ自治政府のクレイ中東和平交渉代表は「イスラエルとの協議を中断する。武力行使が停止するまで和平交渉を再開しない」との立場を表明しました。
シリアとイスラエルは今年5月から和平交渉を再開しました。
28日、シリアは「イスラエルはガザ地区を侵略し、政治手段による和平実現の扉(とびら)を閉めた」と指摘しました。
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