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ジャーナリスト劉洪氏:金融サミットは試練であり、チャンスでもある
   2008-11-12 18:59:37    cri

 主要20カ国による金融危機対応の緊急サミットが15日、ワシントンで開かれます。今回のサミットは、新しい国際金融秩序を確立するものとしても注目されています。中国の胡錦涛国家主席も参加予定のこのサミットで、中国はどのような役割を果たしたらよいのでしょうか、12日付けの『広州日報』はジャーナリスト・劉洪氏の論説を掲載しました。その主な内容は以下のとおりです。

国際金融サミット、中国の果たすべき役割は?

 今回の国際金融サミットは人々の期待にこたえるものであると思います。なぜかというと、金融危機が世界で広がっている状況に、先進国は単独ではなかなか対応できないからです。発展途上国、特に中国やインドなどの新興勢力が協力する必要があります。ヨーロッパの指導者も今回のサミットを新しい「ブレトンウッズ体制」 の確立につなげなければならないとアドバイスしています。

 今回のサミットはアメリカ、EU、新興経済体がそろいます。新興経済体の中では、特に中国が重要な役割を果たしています。今回のサミットで、西側諸国は中国の態度に最も大きな関心を持っているでしょう。原因としては、中国は最大規模の新興経済国であり、世界一の外貨準備高を保有していることや、経済が相対的に高度成長していることなどの原因が挙げられます。

 もちろん、最も重要な問題は資金です。アメリカ経済学者の中には「新興経済体にサミットに参加させた理由は『先進国が資金不足に苦しんでいるのに対して、発展途上国は資金を持っている』からだ。だから、今回のサミットは各国が立場を調整し合い、金融危機に対応することになる。発展途上国に資金を出してもらうことにもなる。また、中国の成果を評価し、中国により多くの「責任」履行を求めるだろう。それが西側諸国の共通認識となっている」と語る人もいます。

 一方、国際協商に参与し、他国と共同で金融危機に対応するとともに、新しい国際金融システムの形成と世界経済の持続可能な発展を促すことは中国の利益に符合しています。しかし、実際にそぐわない中国の役割を強調して、不可能なまでの責任履行を求めるのは、中国の利益を損ない、国内に存在する矛盾を激化する原因となるでしょう。

 現在の政治・経済情勢の下で、中国にとって、国際サミットは試練であり、チャンスでもあります。世界に責任を負う大国の姿勢を示しながら、チャンスをつかみ、今後は長期的な発展に努力するべきです。

 具体的には、以下のような措置が必要となるでしょう。

一、 自国の作成した新しい国際金融秩序綱領を積極的に提案し、新しい金融秩序の制定者になるよう努力する。

二、発展途上国の一員として、その利益を強調し、新しい国際秩序の公平性を求める。同時に、発展問題に注目し、貧困破滅などの問題について国際社会からの関心を呼びかける。

三、資金の投入については、慎重な態度を表明すべき。国際的な共同行動に積極的に参加し、世界銀行と国際通貨基金への投資力を増強すると共に、中国などの新興国が両組織での地位を向上できるよう要求すべき。また、先進国に、市場の開放や中国での投資、特に政府系投資ファンドへの規制緩和、中国市場経済の容認などを要求する。

四、国内企業に、欧米の科学技術産業や自動車産業など戦略的意義を持つ資産の購入を奨励するなどの措置をとる。西側諸国の市場への援助にもなり、投資のチャンスにもなる。

 今回の金融危機で国際金融システムの持つ多くの問題点が浮きぼりとなり、改革が行われようとしています。新しい国際金融秩序を確立させるために、中国を含む新興国家と発展途上国の「知る権利」や発言権、ルールを制定する権利を求めるべきだと思われます。(作者:劉洪、メディア関係者)

(翻訳:トウ 徳花、チェック:末永)

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