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上海国際金融学院・陸紅軍院長、「国際通貨の多元化は必然的」
   2008-11-07 16:01:40    cri

 「今回の金融危機はシステム的でグローバル、かつ転換型の危機です。このことを念頭に、私たちはいま世界経済と中国経済の未来を冷静に考えなければなりません」

 上海国際金融学院・陸紅軍院長は5日、「第五回中国資産フォーラム」で以上のように語りました。

 世界各国ならびに社会各界は、この危機に関してまだ明確な結論を出していません。しかし、陸院長は、「唯一確かなのは、米ドルの地位が揺らぎ始めたことで、今後注目すべきは、米ドルに通貨危機が訪れるか否か」と指摘しています。

 15日にワシントンで開催されるG20サミットについて、陸院長は「過剰に期待してはいけませんが、監査システムを変えることに関しては、比較的容易に意見が一致すると思います。金融システムの変更もいくつかの領域で合意が得られます。しかし、通貨システムを大きく変えるのはまだ難しいでしょう」と述べました。その上で、「将来は多元な通貨システム(米ドル、ユーロ、人民元などを含む)に移行することが自然な流れになるでしょう」とコメントしました。

 また、陸院長は、今回の危機を過度に恐れる必要はなく、将来の経済発展に対して自信を持つべきだと話しました。そのなかで、今後以下の3つの段階に注目することを薦めています。

今後の国際金融の3つの段階 

1、国際金融のあり方を論議する段階(現在からG20サミットまで)

 G20サミットは世界の金融界に何をもたらすのか。中国はその中でどのような役割を担うのか。中国の反応に世界が注目しています。中国は国際金融のあり方を冷静に考え、新秩序の構築に積極的に取り組まなければなりません。

2、金融市場が不安定な転換期(2008年11月15日から2009年2月まで)

 この期間は、世界の指導力が相対的に安定しています。米・大統領選挙後、新任のオバマ氏が就任するまで、ワシントンとウォール・ストリートに注目が集まります。誰が最後まで勝ち残るのか、予測できません。米国、欧州、アジアの論議は国際社会の新しい問題を提起することが予測され、中国はそれに備える必要があります。

3、国際金融の新政期(2009年2月から2009年の後半まで)

 新たな金融、通貨、監査のシステムが誕生する、国際金融のリストラクチャリング段階です。企業は統制の上で新たな問題に対処し、株主総会にも新たな要求が出現するでしょう。企業の株主構成、監査制度、組織構成などの面でも変化が起こり、会社統制は大きな影響を受けるでしょう。

 陸院長はこの過程で、中国の企業は次の5点に注意して危機に前向きに対応することを望んでいます。

企業・経営者の注意点 

1、危機に前向きに対応する

たとえば、製造業の一部の企業はすでに高付加価値製品の開発に動き出しています。

2、目的のあるM&A

株式市場の低迷期にM&Aを通じて、同じ業界の優良ブランドを割安に組み込んだり、資源の統廃合を行うことができます。

3、国際金融に過去に存在した権威を盲信しない

4、盲目的に追随せず、自国の状況や個別企業の状況から短期、中期、長期対策を考える

5、資産の価値が減少することからくる消極的な心理から抜け出し、将来を前向きに見る

(ソース:「国際金融報」より、翻訳:黄恂恂、チェック:末永)

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