内蒙古のオウンク博物館を訪ねて
内蒙古のフルンボイルは神秘的な雰囲気に包まれている土地です。フルンボイルにあるオウンク草原は水や草が豊富で自然に恵まれ、オウンク族の人々は先祖代々ここに住んでいます。オウンクとは、オウンク語で、「森の中に住む人たち」という意味です。オウンク族は、中国の55の少数民族の一つで、人口は、2000年第5回全国人口調査の時点で、3万505人です。主に内蒙古自治区に居住し、一部は東北地方の黒竜江省や北西部の新疆に住んでいます。
かつて、歴史的な原因でオウンク族の人々は中国北方に散らばり、民族の名前も違いました。1958年8月1日、オウンク自治旗(自治県に相当)が設置され、オウンク族という名称に統一されました。1998年、オウンク自治旗設置40周年を記念して、オウンク博物館がオープンしました。この博物館で人々は、森林に住むこの神秘的な民族の歴史に触れることができます。今日の番組では、オウンク博物館の紹介を通じて、中国北方地域の民族、オウンク族をご紹介します。
オウンク博物館は、オウンク自治旗のバイントハイ鎮にあります。博物館の外観は山の形をしていて、民族の特徴を備えた建築となっています。博物館の前にはオウンク族の武士の銅像が置かれています。この武士は、鎧を身につけ、武器を持ち、馬に乗っている勇壮な姿をしています。博物館には、いくつかの展示ホールがあります。オウンク族の民俗風習を展示するホールに入ると、熊、狼、ノロ、キツネ、鹿、カワウソなどの動物の標本が生き生きと飾られています。まるで原始林の中にいるような気がしてきます。
オウンク族は中国北方の森林に暮らしている民族です。今も一部の人は、森林の奥に住み、狩猟とトナカイの飼育で生計をたてています。オウンク族は、中国でトナカイを飼育する唯一の民族です。オウンク族の狩猟について、オウンク族の学者であるウレオトゥ氏は次のように紹介してくれました。
「オウンク族の人は、普通、河のほとりに住んで、別の住居に移動する時は、河に沿って移動します。これらの人々は、どんな河のほとりに住んでいるかと紹介すれば、相手がすぐ分かります。つまり川の場所で他の人を区別するのです。」
オウンク族の人は、文字を持たず、1960年代にもまだ季節の移り変わりと共に、住む場所を変え、遊牧しながら暮らしていました。鳥、動物を狩り、魚をとって生活を維持してきました。そして森林の奥で、トナカイを育てて、馬と牛の代わりに使っていました。古代の原始的な宗教を信仰しながら、昔の狩猟生活を続けてきました。グシャレンさんは、今でもオウンク族の狩猟生活を続けている数少ない人です。民族の習慣について、次のように話してくれました。
「オウンク族は、非常に特別な民族です。最初は狩猟生活を送っていました。今は、トナカイを育てています。オウンク族は古い歴史を持ち、自立している民族です。私はオウンク族の一人として誇りに思います」
オウンク族の人々は、原始林から衣食住に必要なものを手にいれます。博物館の中には、彼らの生活の様子がわかるさまざまな道具が展示されています……(任春生)
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