海南島、リー族の水掛祭り
8月6日の早朝、海南省保亭リー族・ミャオ族自治県の七仙広場は数千人の人で賑わっていました。この広場にいる人々の手には形や大きさが異なる桶と杓子を手にしています。そして、目の前にいる人が誰であろうと構わず桶の水を相手にかけます。若い男女の水掛合戦はことさら激しいものとなります。みんなは互いに水をかけられ、全身びしょ濡れになってしまったにも関わらずどの顔もみんな笑顔です。
陳晶晶さんは、今年20歳になる大学生です。夏休みを利用して同級生と一緒に保亭県に遊びにやって来ました。ここで行われる水掛祭りの評判を耳にして観光に訪れたのです。しかし見学する間もなく、回りの人に水をかけられ、頭から足の先まで濡れてしまったそうです。
このイベントの面白さについて、陳さんは、「初めて水掛祭りに参加しました。今回は海南島のリー族の民族情緒を体験するためにわざわざここにきて、水掛祭りに参加したんです。今の気分を表すとしたら、とにかく面白いの一言です」
8月6日は農暦の7月7日です。この日は中国の伝統的な祝日である「七夕」です。中国の伝説の中では、この日、織女星と牽牛星が一年ぶりにカササギたちがかけた橋で再会し、募った想いを語り合います。この伝説にちなんで現在の若者の間では、この日はバレンタインデーとされています。そして同じ日に、海南省保亭リー族・ミャオ族自治県の七仙嶺地域では水掛祭りが開かれるのです。人々は各地からやってきて、誰もが一緒になって水をかけあいます。水をかけられた人は怒るどころか、むしろ喜んでいます。これは現地に残る言い伝えによるものです。七夕の日に、水にかけられると悪運が落とされ、いい運に恵まれると言われているのです。
この水掛祭りの由来にはこんな伝説が残っています。七仙嶺地域には7つの峰があり、7人の天女が天からここに降りてきた場所だと言われています。保亭県文化館の王平館長は、この伝説を次のように紹介してくれました。
「大昔、7人の天女が天から降りてきて、リー族の人々と深い友情を結びました。また、天女たちは、リー族の人々に生活の知識や農業技術などを教えていました。リー族の刺繍もその中の一つです。リー族の人々は、毎年の七夕にかつて天女が入ったといわれる温泉に入り、水を掛け合って感謝の気持ちを示しました」
実は、偶然でもありますが、天女が入った温泉というのは現地で有名な温泉です。現地の人々はこの温泉をよく利用しているそうです。リー族の符大文さんの話では、人々は田畑の農作業が終わると、温泉に入ってリラックスします。符さんは子供のころから水遊びが好きで、天然の温泉を一年中利用しているそうです……(任春生)
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