九寨溝は、四川省の西部、アバチベット族チャン族自治州、九寨溝県にある中国で最高を意味する5A級の観光地です。1992年12月ユネスコの世界自然遺産にも登録されました。九寨溝は四川省を代表する観光地の一つです。

　2011年5月12日、四川大地震発生から3年目を迎えます。3年前、九寨溝もこの大地震の影響を受けて、観光客が激減しました。その後の3年間、道路が復旧し、交通環境の改善に努めました。そして観光客の数も徐々に増えてきました。これについて、九寨溝管理局観光販売部の蘇傑部長は次のように説明してくれました。

　「2008年5月12日の四川大地震は、観光地の景観にはダメージを与えませんでしたが、地震をおそれて、観光客の数は急速に減りました。大地震の前の2007年の観光客数は延べ252万人だったのに対し、地震発生年の08年はわずか64万人でした。大地震が発生してから主要道路が寸断されていたため、観光客が観光地を訪れることができませんでした。地震後、われわれは道路を修復し、今は全部開通しました。そればかりでなく震災後、新たに成都、重慶、北京、上海、広州、杭州、張家界までの飛行機の直行便が就航し、観光客の数も急速に回復しました。今年の4月末までに、延べ30万人が訪れました。好調なペースです」

　九寨溝は英文字のYの形をしている谷で、長さは40キロぐらいです。この谷の中に、樹正、荷葉、則査洼などの9つのチベット族の集落があることで、有名になりました。九寨溝は四方を山に囲まれ、雪に覆われている峰は数十ヵ所あり、聳え立っています。谷の中に、湖、瀑布、泉、渓流が揃っています。これは中国でも唯一のもので、世界でも稀です。そのためここはおとぎ話の世界だといわれています。これについて、ガイドの張暁燕さんは次のように九寨溝の美しさを紹介してくれました。

　「九寨溝は自然がとても美しいです。それぞれの季節、違う天気にそれぞれ違う風景が見られます。九寨溝の見所は、5つあります。先ずは緑色に輝く湖で、114ヵ所あります。2番目は瀑布です。有名な瀑布が4つあり、それぞれは中国で一番幅が広い瀑布、ノリラン、季節性のパンダ海瀑布、また、真珠沖瀑布と樹正瀑布です。3番目は九寨溝の峰です。九寨溝では山の頂上を覆う雪が半年ぐらいは溶けずにそのまま残っているため、冬の10月から来年の5、6月まで、白い帽子をかぶった峰が見られます。4番目は色彩に富んだ森林です。10月になると、山にある楓の木の葉は鮮やかに様々な色に変わり、この時期は九寨溝が一番美しい季節です。そして最後ははチベット族の風情です。ここには、チベット族の集落が9つあるほか、チャン族の集落もあります。ここではチベット族とチャン族の民族文化に触れることができます」（担当：任春生）