貴州省の世界自然遺産、荔波を訪れる
貴州省の南部と広西チワン族自治区の境に、荔波という地域があります。ここには、森林が広範囲を覆うカルスト風景があります。荔波は動植物の種類が豊富で、保存状態も良好なことから、中国南方カルストの代表として、世界自然遺産に指定されました。
中国の著名な観光地、桂林と同様に荔波のカルスト地形も山と水の美しさでその名が知られています。この地域は峰が数多く聳え立ち、まるで林のようです。山の頂上にある展望台に上れば、自然が作り出した峰が林立する素晴らしい景色を見渡せます。なんときれいな風景でしょう。
峰の林は荔波カルスト風景の特徴です。ここは気候が暖かくて湿度が高いため、数億年前から岩の上に木が生えて原生林を形成しています。雲南省のカルスト地形は、ほとんどは裸の岩ですが、荔波のカルスト地形は豊富な植物に覆われています。このため荔波は中国の最も美しい森ベスト10の一つに選ばれました。
荔波観光地の代表的な観光スポットは、大七孔景観です。ここに天然の橋があります。一般的に人間がつくった橋は、だいたい高さよりも長さが長いですが、大七孔天然橋は天然石で自然に形成されたもので、横に伸びる長さよりも上下に伸びるほうが長い、つまりかなりの高さです。顔を上げれば、自分の頭上のはるか上に橋があるのが見えます。この橋はおよそ90メートルの高さにあるのです。まるで天国へ続く道のようです。現地のガイド王さんの話しです。
「この橋は高さ90メートルで、幅は20数メートルです。形はまるで感嘆符のようです。とてもユニークですね」
実はこの橋を歩くことはできませんが、橋の下を通ることができます。うまいことに、橋の下にはちょうど渓流が流れ、遠くからみればまるで人間がかけた緻密に計算された橋のように見えます。
緑に覆われた山のほか、澄んだ水もあります。カルスト地形は地下水が豊富で、淵、滝や渓流となって流れています。
荔波の水の特徴はなんといってもその色です。時には青空のような青さで、時にはエメラルドのような緑になり、変化に富んでいます。まるで四川省の九サイ溝の水に似ているため、小九サイ溝と呼ばれています。ここの青竜潭という淵の水の色は青くて、臥龍潭という淵の水の色は緑を帯びた青さです。先ほどの大七孔観光スポットの水は緑に輝いています。色の変化について、荔波保護区に勤める研究者、白さんは次のように説明してくれました。
「ここはカルスト地形なので、炭酸岩、白雲岩があります。炭酸岩には、カルシウムがあり、白雲岩にはマグネシウムがあります。カルシウムとマグネシウムが水に溶け、その量の違いによって、様々な色が生み出されるのです」……(担当:任春生)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |