江蘇省の昆山市にある周荘は中国で最も有名な水郷です。白い壁、黒い屋根が特徴の南方住宅が立ち並び、住宅の間を縫うように青い石畳の路地があります。この路地を挟んだ横丁は町の奥へと伸びています。横丁の両側にも住宅があり、そしてその住宅の裏はすぐ川です。清らかな川は静かに数千年の時を経た今でも変わらず流れ、木造の船が行き来し、人々の足となっています。この古き良き水の町で、船を操る女性船頭の姿は周荘の風景となっています。
徐さんとご主人は同じ船を操り、旅行客を迎えています。徐さんは歌が上手く、中国国営テレビ局に招かれ、ステージに上がったことがあるほどです。
徐さんは今年61歳。去年、船頭の仕事をやめましたが、1990年から20年間、この仕事を続けました。船頭になる前は、周荘で靴工場の食堂に勤めていました。周荘の観光業が発展してきたことで、徐さんは、工場の仕事をやめ、観光サービス業に従事するようになりました。徐さんの性格は明るく、大胆でお客さんをもてなすのが上手でした。そして歌が得意なので、お客さんの間で評判を呼び人気者となりました。今、徐さんのほかにも周荘には、女性船頭がいますが、皆、徐さんの作詞した歌を歌っています。
周荘の女性船頭は、皆ロウケツ染めの衣装を着ています。この衣装は、青い下地に白い花の模様がついています。これは江南地域の特徴を代表するものです。遠くから見ると、船頭の衣装に小さい白い菊の花が咲き誇っているようで、とてもきれいです。船頭は舟に両足をしっかりとつけ、櫓を漕ぎ、周荘の水路を案内します。
徐さんはもう船頭をやめましたが、相変わらず人気者です。私たちを案内してくれている途中、徐さんの知り合いがみんな声をかけてきました。徐さんはニコニコと笑顔で、現地の言葉で挨拶していました。船頭をしていた時、徐さんは歌が上手なだけではなく、船を漕ぐのも上手く、周荘のすべての河、橋、横丁を熟知しているため、国内外の重要なお客さんがここにやってくると、船を漕ぐ仕事は、全て徐さんに依頼されました。徐さんによりますと、多くの有名人が彼女が漕ぐ舟に乗ったそうです。例えば、シンガポールのリー・クアンユー(李光耀)元首相、タイのシリントーン王女、中国の呉儀元副首相、香港特別行政区曾陰権行政長官らなどです……(担当:任春生)
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