中国の美しい高原塩湖、青海湖
青海湖は、まるでチベット高原に嵌められた真珠のような湖です。この湖は雑誌『中国国家地理』が選んだ、中国で最も美しい10大湖の中で第一位に輝きました。青海湖は中国で面積が最も大きい湖であるほか、面積が一番大きい塩湖でもあります。7月は、青海湖の景観が一番きれいな季節です。向こう岸が見えないほど広い湖の水面には、穏やかなさざ波があり、雪山が映っています。水の中では魚が泳ぎ、空には鳥が飛んでいます。湖の周囲には草原があり、菜の花が咲き誇り、そこには羊が群れをなしています。なんときれいな風景でしょう。現地のチベット族とモンゴル族の人々は、青海湖を神聖な湖と崇め、毎年お祭りを行います。
毎年の4月、青海湖の凍っていた水面が解け始め、岸辺には草花が芽生え始めるころ、10万羽のカモメなどの渡り鳥が中国の南方地域から飛んできて、青海湖の西北部の岸にある鳥島という島で産卵します。秋になると、これらの渡り鳥は南方地域に飛んで行きます。すると今度はハクチョウがシベリアからやってきて、ここで冬を過ごします。青海省剛察県観光局の譚莉主任は、ハクチョウの越冬について、次のように紹介してくれました。
「普通は10月の初めごろ、ハクチョウが飛んできます。2005年、青海湖周辺にはハクチョウは1500羽ほどしかいませんでした。今は2000羽に増えています。そのほか、黒い首の鶴、鴨などの鳥類が数十種類見られます」
ここ数年、青海湖周辺の湿地面積が拡大し、泉水の量も増えています。これによって水中動物と水草も増え、ハクチョウの生息にとってはいい環境が形成されました。冬になると、数千羽のハクチョウが青海湖を泳ぎ、美しい風物詩となっています。譚さんの話です。
「以前は、ハクチョウは11月ぐらいに飛んできましたが、今は10月の初めころになると、すでにやってきます。20日ぐらい早くなったんですね。これはやはり環境保護がきちんと行われているからだと思います」
ハクチョウの到来は、青海湖におとぎのような風景をもたらしました。それに、ハクチョウばかりでなく、湖の周りの草原を走るチベットガゼルが見られます。
チベットガゼルは体が小さくて動きが速いです。それにお尻の部分に白いハートの模様があり、非常に可愛いらしいです。かつて、チベットガゼルは中国の内モンゴル、寧夏、甘粛、青海に生息していましたが、人間による捕獲、生息地への侵入によって1980年代半ば、内モンゴル、甘粛、新疆ウイグル自治区のチベットガゼルは絶滅し、今、青海湖周辺にわずか600頭しか生息していません(担当:任春生
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