昨日の雨で、今日の長春は空がすっかりきれいになっていました。長春は緑の多い町で、空気が澄んでいるせいか、こちらも自ずと元気が出てくるようです。ほかの北方の都市と違って、長春の町には松の木が多く植えられています。多分、ここの冬の寒さに最も負けない木が松の木だけだから、地元の人が選んだと思いました。さて、今日の取材は長春モーターショーから始まりました。

　金融危機でも熱い中国の自動車市場

　第6回中国（長春）国際自動車博覧会（長春モーターショー）が15日から27日にかけて、長春で行われています。せっかく長春に来ているのだし、ということでこの博覧会が私たちの今日の最初の目的地となりました。

にぎやかな自動車博覧会

　この博覧会は展覧総面積が15万平方メートル、7つの展覧館と5つの室外展覧エリア、1つの自動車文化展示エリアからなっています。中国やアメリカ、日本、ドイツ、韓国など国内外の130社の自動車企業から758台の自動車と15台のハイブリッドカーが展示されています。そのうちの80％以上は新車種です。展覧会とともに、関連フォーラムやモデル大会、自動車文化の体験など様々な催し物が行われることになっています。今回の展覧会の特色としては、展示車種が多いことが挙げられます。普通の自動車のほか、軍事用、農業用の車両もありました。

トヨタのハイブリッドカーも登場

　会場に入ったとたん、驚いたのがそのにぎやかさ。場内のあちこちで音楽が鳴り響いているのに加え、来場者たちは、車の外観から内装までじっくり調べ、さらにスタッフに聞いたりして、盛り上がっていました。私たちに与えられた時間は１時間しかなく、慌ただしい取材だったのですが、もっとも印象に残ったのは中国の長城自動車会社が展示したキャンピング・カーでした。ベッド、リビング、トイレ、シャワー、キッチンがついている、その値段はなんと25万3800元（日本円で約348万）です。このキャンピング・カーの周りには非常に多くの人が集まっていました。長城自動車会社の劉さんは「展覧会が始まってから、この車の前には毎日長い列ができている」と教えてくれました。このキャンピング・カーを見学していた長春市の陸さんは、劉さんに資料を求めただけでなく、いろいろな質問をしていました。陸さんにも聞いてみると、この車に対して、「なかなかいい車だ。特に値段が手頃なのがいい。われわれ普通のサラリーマンにも手が届く。週末、家族を連れて郊外に行くのには、これが便利で快適だと思う」と話してくれました。