元宵節には家々で「元宵」と呼ばれる食べものを食べる伝統的風習があります。「元宵」はもち米を練ったものを皮にして中に餡を入れ、円型に包んだものです。一家が団らんして、平和、幸福にすごす意味をあらわしています。この種の「元宵」、またを「湯圓」とも呼びます。
元宵節に元宵を食べるのに関して、民間では次のような物語が言い伝えられています。
漢の武帝の時ですが、ある日大雪が降りました。武帝の側近であった東方朔が御園にいって武帝のために梅の枝を折っていると、元宵という名の宮女が井戸に身を投げようとしていたので、それを助けました。もともと正月や祭日になりますと、元宵は親兄弟を思い、それが心を刀で刺すようにつらく、たまらなくなった元宵はいっそのこと死んでしまおうと決心したのです。これを聞いた東方朔は、同情して彼女を家族と会わせる一つの良い方法を考えました。それで元宵に緋色の服を着せ、長安の大通りにいかせて玉帝の聖旨といつわって、こう言わせました。「わらわは火の神なるぞ。聖旨を奉じて長安に火を放ちにまいった。天の玉帝は南天門の上に立たれてこれを見物される」。人々はこれを信じて、慌てて助けを求めました……