海のシルクロードの玄関口と呼ばれている広州には、中国で3番目に大きな川である珠江があることから、古くから水上貿易が盛んでした。珠江の全長は2124キロ、川は西から東へ流れており、水の都・広州の美しさを醸し出しています。
2002年に選ばれた「羊城八景」、つまり広州を代表する8つの名所の中には、珠江と関連する場所が2箇所含まれています。そのうちの一つが、珠江の夜景です。
珠江の両側には名所旧跡と特色のある建物が集まっています。広州の税関ビルや、赤崗楼、琶洲塔などはその代表的なものといえます。珠江と広州の関係について広州のスター遊覧船有限公司の王霞経理は「広州の発展は珠江と密接な関係がある。水があるから都市が発展したのだ。私たちが行っている珠江観光もこれに基づき成長を続けてきた」と説明しました。
珠江下りはそのルーツを1960年代にまでさかのぼることができます。当時、広州市フェリーボート公司は珠江の夜の川下り、ナイトクルーズを試験的に行っていました。当時は専用の遊覧船がなかったので、昼間、渡し船として使っていた船を夜は遊覧船として使ったのです。
ビール、それとピーナッツなどの簡単なおつまみとともに、涼しい風に吹かれ、波の音を聞きながら珠江を下ることは、素朴ながらも当時の広州の人たちの楽しみの1つでした。
30年余り広州で暮らす孫さんはこの日、深センから来た友達2人を案内していました。孫さんは私たちのインタビューに対して、「私はもう10回以上、珠江のナイトクルーズに乗っている。珠江の夜景は広州観光の代名詞ともいえる。だから今日、友達を連れてた。以前の珠江の水はひどく汚染されていて、耐えられないほど臭いにおいがした。今、市政府は環境保護を重視していて、珠江の水もだんだんきれいになってきている」と述べました。
孫さんの言葉どおり、1990年代の半ばごろの珠江の水質は最も悪く、珠江のナイトクルーズの人気も低迷していました。そこで広州市政府は10数億元をかけて、珠江の環境整備を行いました。今、珠江の水はもとの美しさを取り戻しつつあります、川の両岸の景色も見違えるようになりました。嶺南の特長を活かした珠江の川下りはとても人気のある観光コースとなっています。
広州の発展につれて、珠江観光の範囲も広がりつつあります。水上結婚式や、テーマを絞った観光コース、豪華な大型ヨットでの遊覧などの企画が次々と打ち出されました。王霞経理は「私たちは広州の味を遊覧船でのサービスに取り入れることにした。遊覧船の中で、お客様に、バイキング形式でこの地域ならではの味を満喫していただくことができる。お菓子や、お粥、エビ餃子といった広州の名物が全部揃っている」と語りました。
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