周小川:5年来中国の通貨政策は科学性と先導性を重視
第11期全国人民代表大会(全人代)第1回会議は3月6日、人民大会堂のプレスホールで記者会見を行い、国家発展改革委員会の馬凱主任、財政部の謝旭人部長、中国人民銀行の周小川総裁が、経済社会発展とマクロ調整について記者の質問に答えた。
周小川総裁は記者会見で、5年来の通貨政策について次のように語った。
中国共産党中央と国務院は、一貫して通貨政策の科学性と先導性を求めている。ここ5年の政策実施情況から見ると、通貨政策は科学性と先導性の面で大きな進歩があった。2003年はちょうど「新型肺炎(サーズ)」が発生した時期で、一部ではサーズによる景気後退の懸念があったが、その時から国務院、中央銀行、国の主管部門は、中国の2つの黒字(資本項目と経常項目の黒字)解消問題に取り組み始め、各種の流動性の吸収あるいは流動性の抑制措置について研究したきた。私たちが現在実施している措置のほとんどは、2003年から試行し始めたものだ。
周知のように、2003年6月、サーズがまだ収束していない時期に、中央銀行は不動産貸付調整措置を打ち出し、不動産開発業者向け貸付と、住宅ローンを含めた不動産貸付の規範化に関する調整を行い、不動産市場の過熱化防止に努めた。通貨政策はその有効性、実施時期などの面について考慮すると同時に、その他のマクロ調整政策と併合して行わなければならない。総じて言えば、馬凱主任の言うように、この5年間、経済が全般的に安定的な伸びを示しているのは、中国の通貨政策が大きな役割を果たしたことの現われである。
マクロ調整は一定の成果を収めているが、これはまた長期的なプロセスを要する。今の中国の状況は、GDPに占める預貯金の比率が高く貯蓄も多いため、投資を押し上げることになり、今後かなり長い期間、過剰流動性や投資意欲が高いという可能性がある。そのため絶えず調整が行われなければならない。しかし流動性をゼロに抑制し、投資熱が冷めるのもよくない。国民経済の安定的かつ健全な伸びを確保するためには、状況の変化に応じて、たえずその力加減を調整する必要がある。
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