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2007年、中国の主な汚染物の総排出量は、初めて減少しました。2008年も果たしてこの傾向が続くことができるのか。『新京報』の記事を紹介します。
2008年は要の年
「中国は改革開放して20年間、計画で掲げた環境指標は一度だって実現したことはない。」
中国初代の環境保護局局長である曲格平氏は、歯に衣を着せない言い方でこのような指摘をしたことがあります。しかし、実際には新たな動きが現れました。最新の統計データによって、2007年、中国の主な汚染物の総排出量が初めて減少したという報告が出たのです。
2007年11月、中国環境保護総局が発表したデータによると、この年の1月から9月まで、全国の主な汚染物の排出量のうち、SO2(二酸化硫黄)とCOD(化学的酸素要求量)は昨年の同じ時期より、それぞれ1.81%と0.28%減少しました。中国の汚染物排出規制は、第十一次五ヵ年計画の2年目の年に、ようやくターニングポイントを迎えたと見られています。
2006年に採択された「第十一次五ヵ年計画」は、SO2とCODの排出量を5年間で10%削減することが盛り込まれ、そして、2006年度の削減目標を2%としました。が、2006年の最終的な統計データによると、主な汚染物は少しも減少はせず、却って上昇すらしました。これと対照的だったのは、全国各地のGDPがいずれも目標額を上回ったことでした。
多くの専門家は、中国は「第十一次五ヵ年計画」の最初の2年間で、主な汚染物の排出量を2005年のレベルに止め、その後の三年で少しずつ減らしていくだろうと見ていました。しかし今回、2007年が予想より早まって減少したことから、2008年の成り行きが大いに注目されるようになりました。
年内にも環境省が設立するか
2007年11月、国務院は「主な汚染物の排出削減を検査する規則」など三つの関連文書を公布し、汚染物排出の目標達成度を地方政府の幹部の業績を評価する上での一つの項目に組み入れることにしました。中国環境保護総局で汚染物規制を主管している張軍副局長は、この動きを、「中国の汚染物削減において、一里塚的な意義がある」と評価しています。
しかし、環境保全を地方幹部の業績評価の一つの項目にするという議論は昔から議論されてきたものの、これを本当に実現することは、容易なことでないと中国環境計画院の王金南チーフエンジニアは見ています。
というのは、例え環境指標が評価項目に入った地方でも、環境指標は評価の中の一定の割合しか占めていません。それに比べて、経済成長がより大きなウェートを占めている現実は変わっていません。これと関連して、一時期、たいへん注目を浴びた「グリーンGDP」の公表が難航しています。王金南チーフエンジニアは、「グリーンGDPの計算は継続している。2006年のグリーンGDPはすでに算出された」と話しましたが、それをいつ公表できるかについては、「まだハッキリしていない」と語りました。
一方、王金南チーフエンジニアは2006年9月に、全人大環境資源委員会に報告をした際に、現在の「環境保護総局」を「環境省」に格上げするよう提案しました。「省」に昇格できれば、ハイレベルの政策決定や、環境保全に関する戦略的企画の制定、取り締まりの効果などにおいて力を発揮することが期待されているからです。
「環境保全が現在の中国にとって、益々重要な役割を果たすようになっている。」王金南チーフエンジニアは年内の環境省への格上げについて、楽観的な見通しをしています。(『新京報』によりYan整理)
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