アメリカとの最終戦、中国は0ー2で敗れたんですが、アメリカ代表のGreg Ryan監督は、中国のプレーをこう評価しました。 「前半はいまひとつでしたが、後半の中国はいいプレーを見せて、手ごわかったですね。全体的に非常に統率がとれたチームだなあという印象です。リードされても、あきらめずに、チャンスを何度も作りました。結果は我々が勝ちましたが、後半のプレーには拍手を送りたいです」 今回の招待戦では、特に若手選手、たとえば、ディフェンダーの翁新芝、周高萍、中盤の張頴選手が、随所に抜群のプレーを見せました。彼ら、あまり実績のない新人の招集について、王監督は、こう語りました。 「新人の積極的な登用の目的は、潜在力ある新人選手にチャンスを与えるためです。もちろん、今年のワールドカップと来年のオリンピックを見据えてのものです。」 ただ、新人選手は、チームに活力を注いだのは事実ですが、実際のゲームを見ていると、彼らの経験不足で、試合中で選手間のコンビネーションが問題になることが多かったです。特にドイツやアメリカなどの強豪チームとの対戦で、攻撃のさい、ここぞというところのパスミスが多かったです。また守りでも選手同士のコミュニケーション不足が目立ったような気がします。これについて、代表チームのメンバー、フォワードを務める韓端選手に伺いました。 「基本的なパスなど、技術面で課題が多かったですね。ワールドカップやオリンピックのような、厳しい局面の多い大会で、スムーズなパスがなければ、勝てません。これは大きな課題です。」 今大会初めて招集された一人、岳敏選手もこう語っています。 「優れた技術は、昔の中国代表の特徴でした。この面は練習を重ねるしかありません。単純なテクニック不足だけではなく、的確にパスを出すという基本的なプレーを磨かなければ、勝てないなあと思いました。ただ私達にはまだ潜在力があると信じています。今年、そして来年には、世界の強豪とやれるだけの力を持てると信じて、がんばります。」 つまり、中国の戦い方は、体格やパワーの不足をテクニックで補う、そして基本的なプレーをもう一度しっかりと見直すということです。そんな中国女子サッカーの今後の目標を王コーチに伺いました。 「当然のことですが、強豪チームとの差を少しでも縮めること・・今後の目標です。身体能力に頼るのではなく、テクニックを中心にした路線を守っていけば、十分に勝機はあると思っています。特に若手の潜在力は期待できます。自信ですか・・それはもう・・自信がなければピッチには出ません。」 以前の中国代表が持っていたテクニックの高さ・・これが戻ってくれば、中国はもう一度、世界のトップに躍り出ることができると思います。 今年、女子サッカーワールドカップは9月10日から、上海・天津など5都市を舞台に行なわれます。ちなみに、日本のなでしこJAPANは3月に行われるプレーオフで勝てば出場となります。ぜひ今年は、このワールドカップに注目してみてください。(文章:王丹丹 02/21)