4日、閉幕した冬季アジア大会、中国が獲得した金メダル19個のうちの4個が、スピードスケート・ショートトラックでのものでした。ショートトラックは、元々、韓国が圧倒的な強さを誇る競技だったのですが、今大会は少しその勢力図が変化しました。
単純にメダルの数だけを比較してみますが、去年、イタリアのトリノで開かれた冬季オリンピックでは、韓国が金メダルを6個獲得し、一方の中国は1個でした。ところが、今大会は、中国・韓国、それぞれ金4個を手にしまして、いわば引き分けになったというわけです。
アジアスケート連盟会長の韓国の張銘錫氏は今大会のショートトラックについて、こう評価しました。
「大会中、三日間にわたって、中国と韓国は激しい争いを展開しました。それによって、今大会は単なるアジアの大会ではなく、世界的レベルを持つ大会になったといえるでしょう。中国と韓国はいずれも世界で一二を争う強豪チームですから、この戦いは、世界選手権並みであったと感じさせたのです。」
スピードスケートショートトラックは、1周111m余りのトラックを、左回りに滑り、順位を競うもので、一般的に、各組の上位2人が、予選から決勝へと続くラウンドを勝ち進んでいきます。タイムトライアルではなく着順で優劣を決めることから、『氷上の競輪』とも呼ばれています。世界的にもアジアのレベルが高い競技として知られています。
特に東アジア地域で非常に盛んです。中国と韓国にはいずれも世界レベルの選手がいます。中国の場合は、2002年ソルトレークオリンピックで、中国の楊揚選手が女子500メートルで中国初の金メダルをもたらしたのに続き、2006年トリノオリンピックで、王濛選手がまたこの種目で金を獲得しました。
一方の韓国にも国際大会で常にメダル争いが出来る選手がいて、各大会では中・韓の激烈な争いが繰り広げられるわけなんですが、そんな中、今大会でもそのライバル同士が火花を散らしました。
まず、何と言っても女子スピードスケートのエースの王濛です。ショートトラックの女王、揚陽が引退したあと、中国のスピードスケートを率いてきたのが王濛です。王濛は、今大会、色々とありました。最初に行なわれた1500mで韓国勢に敗れたあと、テレビの生中継のインタビューで、国家チームの首脳陣を名指しで批判して、大きな論議を巻き起こす・・なんてスケートリンク以外の話題を振りまきました。ただ、その後に行なわれた500mでは、優勝。また彼女が率いた中国リレーチームは、3000mリレーでも久々に優勝という、まずまずの成績を収めました。
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