薛牟正コーチの話によると、例えば、ローラースケート中国代表の選手たちは、まだとても若いですが、彼らは小さい頃から、競技を始め、そして身の回りのことは全て自分でやらねばならないと理解しています。同年代のほかの子供たちに比べて、生活の自立度が高いです。
ただ、そうはいっても、やはり大会を成功させるには、健常者の協力が必要です。このスペシャルオリンピックスは選手達とその家族、そしてボランティアが一体となって活動を進めるというのが大きな理念となっています。
今大会も、地元のボランティアたちが大きな役割を果たしました。各競技の会場で、選手たちの移動を手伝ったり、試合後の片付けを一緒に行なったり、また選手の靴紐を直すなど、細かいところでサポートをしていました。大会を円滑に進めるため、ボランティアの存在はなくてはならないものとなっていたのです。
スペシャルオリンピックスは活動資金そのものも一般市民や企業・団体の寄付によって賄われていますし、大会中だけでなく、日常のトレーニングから、地域に住んでいるボランティアがコーチを務めて、選手達を支えています。ただ支える・・といいますけども、結局は、そのボランティア活動によって、支える側も多くのことを学ぶことができる・・つまりお互いに学び合い、支えあう大会というわけです。
さて、具体的な運営にも目を移しますが、大会期間中、上海市は各代表団に行き届いたサービスを提供しました。選手を市民たちの家に招待し、楽しい一時を過ごしたそうです。また正式な競技だけでなく、中国独特のゲームを取り入れたリラックスタイムを設けるなど、交流に力を入れました。
また大会期間中、中国国務院の回良玉副首相もイベントに出席しました。この中で、回良玉副首相は中国の身体障害者スポーツについて次のように話しました。
「中国政府はスペシャルオリンピックスなど身体障害者に関する事業を非常に重視しています。社会主義における調和の取れた社会を構築するため、1987年から、中国は知的障害者のための全国的なスポーツ大会を4回行ってきました。これらの大会は、知的障害者の支援に対する社会全体の雰囲気作りに大きな役割を果たしました。現在、中国は積極的に2007年スペシャルオリンピックスの準備を進めています。これをきっかけに、知的障害や身体障害を持つ方々を支え、社会の弱者の声に耳を傾ける雰囲気を作れればと考えています。」
まさにこの大会が、優しい社会を作る一つのきっかけになればということです。まだ本大会まではあと1年ありますから、十分な準備を行なって、選手、ボランティア、市民みんなが多くのことを学べる大会になればと思います。(文章:王丹丹 10/25) 1 2 3
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