2004年から、わずか3年間足らずのうちに、世界のテニス界に、中国というダークホースが突然現れました。2004年のアテネオリンピックで、中国の李テイ・孫甜甜組が女子ダブルスの金メダリストとなり、世界を驚かせました。その2年後、今度はテイケツ・アンシ組がテニスの最高峰、4大大会のうち、全豪オープンを制しました。さらに、今月初め、イギリスのウィンブルドンで行われた全英オープンでも、テイケツ・アンシ組が見事、優勝を果たし、ダブルスの世界の頂点に立ちました。

　テニスのプロ選手は、一年中、世界中で行われるＷＴＡという組織が公認する大会を転戦します。その中で、4大大会と呼ばれるオーストラリア、フランス、イギリス、アメリカ大会が最も権威あるものとされています。この四大大会は、テニス界で歴史の最も長く、レベルの最も高く、また賞金も最も高いと・・この4つの大会を全て制することをグランドスラムといい、テニスプレーヤー最高の栄誉とされています。

　この中の二つの大会、中でも最高の権威を持つウィンブルドンを、中国の鄭潔・アン紫組は制したわけです。この鄭潔・アン紫組の快挙は、テニス王国、ヨーロッパでも大いに注目を集めています。各メディアは相次いで彼女たちを取り上げました。

　このあたりについて、北京放送のイギリス駐在、趙陽記者はこう語っています。

　「ヨーロッパで最も有名なスポーツチャンネルである『ヨーロッピアンスポーツ』は論評を発表し、『鄭潔・アン紫組の神話は今始まったばかりだ。彼女たちは、テニスの聖地、ウインブルドンにおいて、初の中国人チャンピオンとなった。このダブルスの結果は、間違いなく中国人選手たちの実力の高さを示している。』と評しました。また彼女たちが今年初めの全豪オープンでチャンピオンになったことも偶然ではないことが、これで証明されたとしています」

　趙陽記者は、さらに、世界からの評価についてヨーロピアンスポーツを引用し、レポートを続けます。

　「ユーロピアンスポーツは論評の中で、『中国選手は芝生の上での戦いにも十分に適応できた。これが大きな勝因だろう。中国は今や女子ダブルスの強豪国となっている。テニス界は中国に目を向けなければならない』と締めくくっています。また現地ウィンブルドンで今大会を観戦したテニスファンは、『彼女たちのプレーは素晴らしかった！特に第三試合はとても自信があり、攻撃力の強さを見せた』と話していました。」

　鄭潔・アン紫組は特に2006年、今年の活躍は目を見張るものがありました。まず1月に行われたオーストラリアオープンで、中国史上初の4大大会チャンピオンとなりました。さらに、WTA・プロ女子テニス協会主催のドイツオープンでもチャンピオン。それによって、二人は世界ランキングのトップ10に入りました。また、今年5月に行われたフランスオープンで、ベスト４となり、そしてウインブルドンでは2度目の4大大会制覇となりました。

　一方、シングルスのほうも頑張っています。特に中国のエース、李娜選手のウィンブルドンでの活躍は素晴らしかったです。李娜選手は、自身「考えもしなかった」というベスト8進出を果たしました。これはもちろん中国人初の快挙です。

　今大会、李娜選手は、2004年全米オープンのチャンピオン、ロシアのクズネゾワ選手など、強豪を次々に破り、準々決勝まで進出しました。これは、中国選手のシングルスでの最高成績です。