今一番ホットなスポーツといえば、何といってもサッカーです。ドイツで行われているサッカーワールドカップはグループ予選を終え、16チームによる決勝トーナメントに入っています。中国、日本云々といわずに見るならば、サッカーファンにとっては、これからが一番面白くて見ごたえある試合になります。今回のワールドカップには、中国代表は残念ながら出場できませんでしたが、アジアからは日本、韓国、イラン、サウジアラビアが出場を果たしました。しかし、日本を始め、出場4チームは全て予選敗退という残念な結果に終わってしまいました。
先日23日に韓国がスイスに0ー2で敗れて、唯一望みを残していた韓国が敗退と・・アジア全体のサッカーレベル向上を願っているサッカーファンとしては非常に残念でした。ちなみにベスト16に入ったチームを大陸別に見ると、欧米が最多の10カ国。続いて南米3、北中米1、オセアニア1、アフリカ1、そしてアジアがゼロと。で、この数字だけ見ると、アジアは大丈夫なんだろうかということになるわけです。
アジアのサッカーはどうなっているんでしょうか。全体的なレベルは本当に後退しているのでしょうか。これについて、イランのチーム代表であるホマロン氏はこのほど、北京放送記者のインタビューを受けた際、次のように話しています。
「いろいろと評価はあると思いますが、今大会のアジアのチームは随所で良いプレーを見せたと思います。例えば、イランと日本は試合では負けたが、結果だけですべてを否定してはなりません。イラン代表は試合の中で自分の持ち味を全部出していたものの、運が悪かっただけともいえるでしょう。メキシコとの対戦では、同点のまま74分まで行ったのに、最後の最後に相手にゴールを許してしまった。日本代表も同じような目に遭った。」
いくら持ち味を出していても、土壇場まで同点でも、負ければ弱いということですから、運が悪かったという認識が正しいかどうかは賛否両論ですが、四年前の2002日韓共催ワールドカップのときは、日本と韓国が決勝トーナメント入り、韓国は一つそこで勝つというすばらしい成績を収めました。そこから考えれば、今大会は一歩後退したとしかいいようがないでしょうけれども。
ただ、あえて良かった点を挙げれば、アジア勢4つの代表チームは全て、最低でも引き分けの勝ち点1を獲得することができました。これはアジア全体から言うと、初めてのことです。四年前のワールドカップでは、日本と韓国はともかく、中国とサウジアラビア代表は3戦3敗の勝ち点0でした。この意味から言うと、アジアの全体的なレベルは向上したと言ってもかまわないのかもしれません。
アジア対強豪のアフリカとの対戦という視点から見てみると、今回のワールドカップで、アジア勢とアフリカ勢は3回対決し、アジアが1勝2引き分けという成績でした。具体的には、韓国が2ー1でトーゴに勝ったほか、サウジアラビアは2ー2でチュニジアと引き分け、イランも1ー1でアンゴラと引き分けました。3戦のうち1勝2引き分けという結果も、これまでなかったものです。前回W杯では、アフリカのセネガルがベスト8入りして、アフリカ勢の強さを見せ付けましたが、そのアフリカにまずまずの成績を収めたというわけです。
さて、個別のチームを少し見ましょう。まず日本代表は皆さんがご存知だと思いますので、おいといて・・今回は、韓国代表に注目が集まりました。
韓国代表はまず初めてのグループ戦で2ー1でトーゴに逆転勝ち、それから、98年大会優勝の強豪、フランス代表に引き分けました。2002年ワールドカップで、韓国代表はベスト4というすばらしい成績を収めたのですが、一部にはホスト国の地の利を生かしたとの見方もありました。そういう意味では、今大会の韓国の戦いぶりは、不調のアジア勢の中で、まずまずといってもいいのかもしれません。そのあたりをイランのチーム代表であるホマロン氏に伺いました。
「韓国代表はこれまでのアジア勢としては、最もよいプレーをしたといえるでしょう。これは私の大会前の予想と一致しています。韓国代表は自らのプレーでアジアのサッカーを世界に見せつけたと同時に、自分たちのレベルもしっかり証明できたと思います。」
韓国代表の活躍は決して偶然ではありません。ここ数年、何人かの韓国人選手がヨーロッパのプロリーグでプレーするようになりました。そのうち、韓国のエース朴智星はイギリス、プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドの主力として活躍しています。
1 2
|