
サッカーワールドカップドイツ大会が始まった。残念ながら中国代表は大会に出場できないが、中国サッカーファンのサッカー熱はそれで冷めてしまうわけではない。そこで、中国人たちがどのようにサッカーW杯を楽しんでいるのか、各界のサッカーファンの声を聞きながら、お伝えしよう。
「中国チームが出場するかなんて僕には関係ないね。必ずワールドカップを見るよ。1986年、あのイタリアの試合を見てから、ワールドカップは、僕にとって命の一部分になったんだ。まるでお米と水みたいにね」
雑誌編集者の程さんは熱狂的なサッカーファン(足球迷)の一人。彼は20年前のW杯でイタリア戦を見て以来、イタリア代表のとりこになったという。取材のときも彼は、イタリアチームのユニフォームに身を固め、チームカラーのミサンガを腕につけ、イタリア代表のことを「私のチーム」と呼んでいた。
実際、中国では、程さんのような『他国』ファンが大勢いる。国名の後ろにファンを表す「迷」をつけて、意迷(イタリアのサポーター)、巴迷(ブラジルのサポーター)、徳迷(ドイツのサポーター)、西迷(スペインのサポーター)、阿迷(アルゼンチンのサポーター)などと呼ばれる。そして、ワールドカップ期間中、そのチームと共に泣いたり、笑ったりして過ごすのである。
さて、中国のサッカーファンをもう一人紹介しよう。2006年フィギュアスケート世界選手権のペア競技で金メダルを獲得したトウ健だ。
「私はイングランド代表の大ファンなんですよ。何がいいかって?彼らのサッカースタイルが好きなんですよね。あとはアルゼンチン。彼らはゴールに向かって一生懸命なのがいいですね。サッカーはやっぱりシュートが一番大事。だから休まずシュートするチームが好きです。今年はどこがチャンピオンになるかって?やっぱり、ブラジルじゃないですか?55パーセントくらいの確率かなあ。でもあとフランスとドイツにもチャンスがあると思いますよ」
時差のせいで、全ての試合は、北京時間の夜に行われる。これからの一ヵ月、試合を見るため徹夜が続くのは避けられないこととなるのだ。彼は「トレーニングを影響しないかぎり、深夜でも試合を見る」と語り、「W杯深夜族」の一員になることを宣言した。
そして、なんとこの方も大のサッカーファンだというのだ。中国の国家指導者、国務院の温家宝首相である。
「言っておきますが、私も大のサッカーファンなんですよ。ドイツがワールドカップを成功させるよう祈っています。ドイツにグッドラックと言いたいですね。中国にはとてつもない数のサッカーファンがいます。夜中に起きて中継を見る人が数多くいるんですよ。そして勿論、私もその中の一人です。」
これは、温家宝首相が先日、ドイツのマルケル首相と会見した際述べたものだ。
一般市民から、一流アスリート、そして国家指導者まで、この時期、中国は、誰も彼もが、他の多くの国々と同じように、W杯観戦で一色となる。中国のW杯出場は2002年のわずかに一度。もちろん開催経験など持っていない。しかしそれでも、中国のサッカーファンはこのW杯を熱く迎えるのである!
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