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10月9日は中国では重陽節でした。この日は旧暦の9月9日にあたり、人々が山登りやピクニック、菊の花を愛でたりして過ごしました。今回の中国メロディーは、重陽の節句をテーマにして、その風俗習慣と音楽をご紹介します。
緑の世界との別れ~辞青~
中国では毎年旧暦3月3日と9月9日は重要な節句です。旧暦3月3日は長く寒い冬に別れを告げ、新緑の世界に踏み入れる節句で、「踏青(青い世界を踏む)」と呼ばれます。一方、旧暦9月9日は爽やかな秋がもうすぐ過ぎて、暫く生気溢れる緑の世界に別れを告げ、長く寒い冬を迎える節句です。そのため9月9日は「辞青(青い世界を離れる)」と言われます。
そんな9月9日の重陽節には昔から一家揃って山などの高い所に登って秋の景色を眺めたり、家族団らんを楽しんだりする慣わしがあります。
高い所に登る節句~登高節~
10月の北方の大地は収穫の季節を迎え、畑は一面の黄金色に染まっています。まるで赤ちゃんを出産したばかりの幸せな母親のようにけだるくも落ち着いており、空気にさえもうっとりする息吹が漂っています。母なる大地は両手を広げ、彼女の子供をその懐に迎え入れます。
毎年旧暦9月9日の重陽節は、高い所に登る節句「登高節」とも呼ばれます。この日に人々が自然の懐に入り、高い所に登って遠くを眺める慣わしがあります。これは小さい時から山登りが大好きな私にとっては、神様が与えてくれる何よりも素敵な節句で、山登りは私の成長とともにあったともいえます。
重陽節は敬老の日
九月九日の「九九」は長く久しいの「久久」と中国語の発音が同じで、九は縁起がよいとされています。奇数の中でも、一番大きい数字である「九」には長寿の意味もあります。中国では1989年に重陽節は敬老の日と定められ、この伝統的な節句に新しい意味が加えられました。
毎年この節句になりますと、全国各地で「敬老、孝行」をテーマにして、様々な祝賀イベントが開催されます。しかし、そんな敬老の日に華々しいイベントを行うより、むしろ実家で両親と過ごすことが敬老の日らしさがあるかもしれません。幼い頃から私達の成長に多くの愛情を注いでくれた両親こそが、私達が最も尊敬すべき人なのですから。
番組の中でお送りした曲
1曲目 酔花陰(すいかいん)
歌はそんな李清照の「酔花陰」をモチーフにした歌です。
歌詞:
すだれを動かす秋風が吹く頃には
人は菊の花よりも痩せ細っていることか
2曲目 九月九的酒(九月九日の酒)
この歌は重陽節に旅人が故郷を偲ぶ気持ちを表しました
歌詞:
また九月九日
故郷を偲ぶ旅人
異郷でさすらう
故郷に戻る願いは
ずっと心に付き纏う
3曲目 最美不过夕阳红(赤い夕日)
「赤い夕日」はCCTV中央電視台で放送された1990年代の人気番組「赤い夕日」のエンディングテーマです。当時、この番組は主に中国の高齢化問題に触れて、年配の視聴者たちに喜ばれました。現在でもこの曲は広く歌われています。
歌詞:
最も美しいものは赤い夕日
暖かく落ち着いている
夕日は遅く咲く花
夕日は長年寝かせた美酒
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