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9月初め、中国の部隊では若い古参兵が退役し、新兵が入営する季節を迎えました。CRIに駐屯している警備部隊の兵営から、古参兵を送別する歌声が流れてきます。その高らかな歌声の中から兵営の生活を懐かしみ、未来の新しい生活に思いを馳せる気持ちを感じさせます。そこで今回の中国メロディーは兵営からの歌と物語をお送りしましょう。
青春は汗と涙の中
中国では若者は兵役に服する義務があり、徴兵期間は通常2年です。この2年間は多くの若者にとって、かけがえのない貴重な思い出となります。
私の場合は高校三年生の時に一カ月の軍事訓練を受けました。毎朝6時、まだ薄暗いうちに兵営にラッパの音が空高く鳴り響きます。音が聞こえると、急いで温かい布団から飛び起き、身を切るような冷たい風の中で一日の訓練が始まります。10キロあまりの急行軍、塹壕に腹這いで行う実弾射撃訓練など、とても大変なものでしたが、これらの苦しい訓練は、若かった私たちの熱い血を沸かせました。
毎晩、訓練が終わった後、兵営に戻る途中にみんなでいつも「打靶归来(射撃して戻っておいで)」を歌いました。あのときの青春は汗と涙の中で光を放っていました。
「送戦友~戦友を見送る~」
秋になると、テレビではいつも古い古参兵退役に関するニュースを放送しています。古参兵が2年間いつも一緒にいた戦友に別れを告げ、互いに抱き合い、みんな涙をぼろぼろ流していました。
学生時代、私が参加した軍事訓練の終わりを祝う送別会で、私たちも涙を浮かべて多くの送別の歌を歌い、日々共にいた教官たちにも別れを惜しむ気持ちを送りました。いつも厳しかった教官たちも「送戦友(戦友を見送る)」を私たちに歌ってくれ、教官たちの心のこもった歌声は今でも耳に残っています。しばらくしてから教官が出張で北京に来ることになり私たちと再会しました。苦楽を共にした教官との再会した時の感動と喜びは本当に言葉では言い表せないほどでした。
うららかな日
映画「柳堡の物語(柳堡的故事)」は1957年に制作された兵士と一般庶民との恋物語を描いた作品です。女性監督・王蘋は女性の視点から戦争の歴史を追い、純粋な愛情を水郷の風車、石橋、小船など美しい環境と巧に融合させました。それに加えて「九九艶陽天(うららかな日)」と言う主題歌の優美な旋律も映画に芸術的な色彩を添えました。
1944年、江蘇省揚州市柳堡地区が抗日部隊に解放され、部隊兵士は厳格な規律のもと、地元の人々の歓迎を受けていました。李進副班長は怪我のために休養していた家の美しい娘、二妹子と互いに意識しあうようになりました。しかし、革命事業のため、李進がしぶしぶこの愛を諦めなければならず、作戦のために部隊と共に南下していきました……
番組の中でお送りした曲
1曲目 打靶归来(射撃して戻っておいで)
歌詞
日が西の山に沈んで 夕焼けも去る
戦士は射撃して大隊を帰らせる
胸の前に授けられた赤い花は夕焼けを映す
愉快な歌声は空に満ちて飛んで行く
2曲目 送戦友(戦友を見送る)
この歌は毎年、古参兵が送別する時に必ず歌う定番曲です。
歌詞
戦友を見送り 彼等は果てしない旅へ
黙って涙を流し ラクダの鈴の音が伝えてくる
戦友よ親愛なる戦友よ 親愛なる兄弟よ
夜中の寒い風に気をつけてほしい
3曲目 艶陽天(うららかな日)
この歌は男女のデュエット曲で、意気投合する男女の気持ちを歌っています。
歌詞:
うららかな日よ
18歳の兄が 川辺に坐り
東風が吹いて あの風車を回す
空豆の花は香る
麦の苗も鮮やかに
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