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7月、一年中で最も暑い季節がやってきました。こんな暑い季節にプールやウォーターパークは子供も大人もみんなが楽しめる避暑地です。しかし、プールのない昔の人々は、いかにして厳しい夏を過ごしたのでしょうか?また、中国各地の人々はどんな涼み方をしていたのでしょう?今回の中国メロディーは納涼に関る物語と音楽をご紹介しましょう。
妃も笑うフルーツ・ライチ
唐の時代、有名な皇帝・玄宗は夏になるといつも、愛しい楊貴妃をつれて都の長安を離れ、驪山(りざん)の麓の華清池まで温泉に出かけていたと伝えられています。
また、有名なエピソードとして四川省出身の楊貴妃は、故郷のフルーツ・ライチを好んでいました。玄宗は愛しい楊貴妃に新鮮なライチを届けるため、北方の長安の都と南方のライチの生産地を結ぶ「ライチの道」を作る命令を下しました。早馬で部下に昼夜付き添わせて、大事に運ばせていたことが伝えられています。現在はこの逸話を元にした「妃子笑(妃の笑顔)」という品種のライチがあります。
北京っ子の夏の飲み物「酸梅湯」
北京の一般庶民にとっては伝統民家の四合院こそが納涼の格好の場所だと言えるでしょう。早朝、四合院の庭の中のブドウ棚の下で、金魚鉢、ザクロや蓮の盆栽を楽しみながら、夏の涼しさを目で味わうことができます。
午後になると、一日で最も暑い時間ですが、そんなときに冷やした甘酸っぱい「酸梅湯」が夏の疲れた身体をいやしてくれます。乾燥した梅の実、サンザシ、氷砂糖で作られたこの酸梅湯は、暑気払いの夏の飲み物として昔から北京の人々に愛されています。夜、四合院の庭に月下香の芳しい香りが広がり、北京の昔ながらの住宅である胡同の奥から胡琴の美しい音色が流れ、涼しい夜風とともに夏の暑さを運んで行ってくれます。
涼しさ運ぶ「涼茶」
涼しいお茶と書く涼茶(リャンチャ)は広州など南方の人々にとって、夏に欠かせない飲み物です。暑い夏に飲めばのぼせを防止することができ、文字の通り、涼しさを運ぶお茶と呼ばれています。数百年の歴史を持つこの涼茶は最近では気軽に飲める夏の養生茶として中国全土で大人気になり、「食品文化遺産」にも登録されました。
番組の中でお送りした曲
1曲目~ 貴妃酔酒(きひすいしゅ)
この歌は京劇の代表演目「貴妃酔酒(きひすいしゅ)」をモチーフにして、京劇の女形スターとなった李玉剛(ユゥガン・リー)が歌いました。玄宗皇帝の深い寵愛を受けていた楊貴妃でしたが、しばらく玄宗の足が遠のいた時、百花亭で寂しさに耐えかねて深酒をして過ごし、わが身を嘆いていた様子を描いています。
歌詞:
あの年の華清池の傍らには
あまりに多くの悲しみが残されている
誰が正しくて誰が間違っているか
感情の過ちと正しさなんて言わないで
ただ夢の中であなたと一緒にもう一度酔いたいだけ
2曲目~ 夏夜納涼(夏の納涼)
昔の北京ですいかを売る、売り子の声や独特な北京情調に溢れる胡琴の音色など、北京の古い伝統文化を音から回想させてくれます。
3曲目~ 夏夜(夏の夜)
この曲は有名な作曲家・楊善楽が故郷・湖南省の民間芸術「花鼓」の美しい音楽をモチーフにして作ったバイオリン曲です。水の風景豊かな水郷文化溢れる一曲です。
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