カエルの歌
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夏、池のほとりで緑色の衣装をまとい、大きく口を開けて高らかな声で歌っています。この歌手には特技があって、水泳の達人、また害虫駆除の専門家でもあります。では、この歌手の名前はなんでしょうか?この歌手の名は、今回の番組の主人公「カエル」です。今回の中国メロディーはカエルにまつわる物語と音楽をご紹介しましょう。
財を招く金色のヒキガエル
中国の民間伝承では、カエルは縁起のいい動物として昔から人々に親しまれています。伝説によると、月の中にある宮殿「月の宮」には、三つの足がある金色のヒキガエルが住んでいて、このヒキガエルの全身には様々な宝石と金貨がちりばめられています。この金色のヒキガエルは財を招き、日本の招き猫と同じように福をもたらす縁起ものとして人々に愛されています。
また、中国の長い農業の歴史において、カエルは害虫を駆除し、農作物を守る衛兵と讃えられ、さらに五穀豊穣をもたらす縁起の良い動物ともされています。
お母さんを探すオタマジャクシ
春を告げる風が吹くころ、冬眠していたカエルたちは冬ごもりの穴から出てきて、麗らかな春の景色を楽しむようになります。そして、池のほとりや水草の茂みで群れをなすオタマジャクシが行ったり来たりして泳ぐ姿が見られるようになります。
1961年のアニメ映画「小蝌蚪找媽媽(お母さんを探すオタマジャクシ)」はオタマジャクシが自分の姿と違うお母さんを訪ね回る途中、魚やカニ、亀、ナマズを自分のお母さんだと勘違いしてしまいますが、最後にはようやくお母さんのところに戻ることができ、立派なカエルへと成長したという物語です。
カエルの演奏会
カエルの鳴き声を楽しむのに一番いい季節は、やはり農繁期の夏でしょう。農家たちが急いで刈り入れ,作付けをするこの時期、カエルたちも大きな声で精一杯応援します。カエルの鳴き声は独唱や合唱、高く清らかなもの、低く太いもの、優しいもの、迫力あるものなど多彩で、まるで交響楽団の演奏会のようです。
番組の中でお送りした曲
1曲目~ 田间蛙声(カエルの鳴き声)
歌詞:
夜風がカエルの鳴き声を運んできた
お月様は笑って腰を曲げ
銀河の星をきらきらと光らせる
静かな夜に長く続く畦を歩く
カエルの鳴き声はなんと美しいのだろう
2曲目~ 小蝌蚪找媽媽(お母さんを探すオタマジャクシ)
歌詞:
オタマジャクシが水の中を泳ぎ
尻尾を一生懸命に振って振って、泳いでいる
会いたい一心でお母さんを探しに行く
探して探して、探し当てて
おかあさんはカエルだった
3曲目~ 水田之乐(田んぼの趣き)
歌は故郷の美しい田園風景を歌い上げています。
歌詞:
家の前に田んぼがあって
稲の香りがよく漂っていた
早朝、牛飼いの子供があぜ道を通る
夕暮れ時、カエルの鳴き声は潮が引くように静まった
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