初夏の北京、朝の光に照らされた活気ある出勤風景の一コマの中、特に若い都会の女性たちが意欲に燃える姿は青春の息吹を感じさせます。今回の中国メロディーは、奮闘の中で輝く女性たちの青春と音楽をお伝えしましょう。

少女たちの偶像～ムーラン～

　愛情と夢は青春をはばたかせる翼で、多くの文学作品の中には愛情と夢のために燃える青春こそが本物の青春だと讃えられています。夢のために頑張る若い女性はより独特な魅力を放つとも言われます。

　民間伝承「ムーラン」は中国では広く知られている物語です。隋末、唐の初め、勇敢な少女・ムーランが高齢の父親に代わって男装して従軍し、戦争で功績を上げて女将軍まで上り詰め、最後には無事に故郷に帰って女性に戻るというストーリーです。

　1970・80年代、軍人になって勇ましい軍服姿になることは、多くの男の子や女の子でさえも憧れでした。ムーランはまさに当時の少女たちの偶像そのものだったのです。

テニス界の夢と希望～李娜～

　李娜（リー・ナ）と言えば、多くのスポーツのファンにとって、彼女が2014年に開催された全豪オープンで2度目のグランドスラムを達成した時の輝く姿を今でも忘れられないことでしょう。李娜は中国テニス界、スポーツ界の誇りであり、すべてのアジア人の誇りと讃えられています。

　彼女が世界の舞台で挫けずに何度も立ち上がり、中国スポーツのために栄誉を獲得したことは、ラケットを握る少年少女たちに夢と希望を与えました。きっとここから未来の李娜が生まれることでしょう。

ジャック・マーの偶像～小鹿ジュン～

　ジャック・マーは中国で有名な実業家の一人でアリババグループの創始者です。そんなジャック・マーの青春時代に奮闘精神を掻き立てた人はなんと日本人女性でした。1980年代、大学受験に失敗して失意の底にいたジャック・マーは、偶然女子バレーボールをテーマにした「燃えろアタック」という日本のドラマを見ました。このドラマはいわゆる「スポ根もの」で、当時の中国では大変人気を博し、視聴率は80％以上もあったほどです。ジャック・マーはヒロインの小鹿ジュンに夢中になり、「彼女から勇気や挫けぬ心、周囲を励まし団結して向上していくことなど、仕事と人生についてのあらゆることを学んだ」と語っています。

　その後、ジャック・マーはビジネスで大成功し、今や中国の最も有名なビジネスマンの一人に加わりましたが、彼の心の中にはいつも小鹿ジュンが偶像としているのです。

番組の中でお送りした曲

　1曲目　木兰星（ムーランの星）

　この歌はムーランが故郷を思う気持ちを歌い上げました。

　この世界は広い　孤独がゆっくりと広がる

　荒れた野原で　狼はなぜさまようのか

　黒い夜はまるで墨のように多い尽くす

　いったいどの星がムーランと言うのだろうか

　2曲目　　铿锵玫瑰(鋼鉄のバラ）

　この歌は元々、サッカー中国女子代表を讃えるものでしたが、今では夢のために頑張る女性への応援歌として彼女達を「铿锵玫瑰」と呼ぶようになっています。

　歌詞：

　すべての美しさはすでに過去の思い出

　淡いほろ苦さは今日の味わいだ

　明日も再び雨や風、太陽にさらされ

　どんなに辛くても、疲れても恐れない

　雨あがりの虹は　鋼鉄のバラを彩る

　いくら苦しくても　後には引けない

　3曲目　　阳光总在风雨后（太陽はいつも雨の後に）

　歌詞：

　人生の嬉しいことも悲しいことも

　あなたとすべて分かち合いたい

　失敗や立ち止ったことは仕方のないこと

　勇敢に顔を上げて

　太陽はいつも雨の後に