説明会の後、井出公使が主催して壮行パーティーが開かれました。高校生達を激励するため多くの関係者達が参加しました。出発前夜ということで、高校生達もウキウキした気分を隠せないという様子でした。山東省済南市の第七高校2年生・何麗娜さんは「出発前日、ちょっと緊張していますが、すごく期待しています。日本は初めてです。早く、実際の日本の様子を見てみたいです。事前にいろいろ情報収集しましたが、多くの日本人は、中国は相変わらず貧しくて遅れている国だと思っているようですね。今回の訪問を通じて、発展した現在の中国を伝えたいです。中国の高校生として、恥ずかしくない態度で臨みたいです」と述べました。
(何麗娜さん)
それから、黒龍江省ハルピン師範大学付属高校1年生の趙偲さんは「日本の地理や文化、社会などについて、事前学習しました。日本は美しい国で、よく発展しているんですね。また、日本人はやさしいイメージがあります。今回、私が一番行きたいところは大阪です。ちょっと恥ずかしいですが、日本のアニメ『名探偵コナン』にはまっています。特に、服部平次というキャラクターが気に入っています。彼は大阪の高校生っていう設定でしょう?だから、どうしても大阪という都市を見てみたいです。楽しみにしています」と語りました。
(趙偲さん)
高校生達は翌16日、東京行きの飛行機に乗り込み、いよいよ日本へと向かいました。
17日、旅の疲れを見せず、いささか興奮気味の高校生達は朝早く衆議院を見学しました。その後、外務省を表敬訪問し、外務省主催の昼食会に参加しました。昼食会には、麻生外務大臣、塩崎外務副大臣、中国大使館の王毅大使らも出席しました。席上、王毅大使は「中国の高校生の皆さん、短い期間ですが、時間を効果的に利用して、日本を理解にするために、見聞を深めたり視野を広げたりすることに務めて下さい。同時に、中国で起きている変化や進歩、また中国の若者の勉強ぶりも日本の若者に伝えてあげてください」と語りました。
この日の夜、日中友好会館による中国の高校生を歓迎するレセプションが行われました。このレセプションに、小坂憲次(こさかけんじ)文部科学大臣が出席しました。日本の高校生も参加し、中国の高校生と楽しく話し合い、出し物を披露しました。
(中国の高校生が踊っている)
江蘇省鎮江市第一高校1年生の金夢さんは、日本に対する感想を次のように述べました。「日本は初めてです。小さい時、両親から日本は中国の親しい隣国で、隣近所のような間柄だと聞きました。日本は国土が狭く、資源がないのに、なぜこんなに発展することが出来たのかと考えました。日本に来てから、よく車の中で本を読む人を見かけます。日本人は時間を効果的に使い、よく事残業をすると聞きました。これは、日本の経済が発展した大きな要因ではないかと思いました。日本滞在は1週間ほどしかありませんが、じっくりと日本を見て帰りたいと考えています」
それから、中国東北部の黒龍江省から来た張冠宇さんは「日本人にあまり好感を持っていませんでした。でも、日本に来て、日本人と接し、日本人は友好的で、優しいことを知りました。短い滞在ですが、できるだけ多くの日本人と接し多くの友達を作りたいです。また日本人がどのように中国人を見ているかを知りたいです」と語りました。
翌日の18日に、中国の高校生達はそれぞれ、渋谷教育学園渋谷高等学校、早稲田大学本庄高等学校、品川エトワール女子高校、千葉県立柏高等学校、茨城県立水戸農業高等学校などへ赴き、日本の生徒たちと共に授業を受けました。また、部活動にも参加し、夜は日本の高校生の家でホームスティをしました。
渋谷教育学園は私立のエリート学校でもあり、その卒業生は100%大学に進学できるほど日本では有名校です。
2年1組の授業に出た杭州市出身の高校生・朱雨杭さんは「授業はとても生き生きとしていて、緊張した空気が全然感じられません。授業に出ることができ、大変よかった。」と話しました。
渋谷教育学園3年4組の生徒たちは中国の高校生を歓迎するため、ささやかな歓迎会を開きました。生徒たちは自作自演の出し物を見せてくれました。中国の高校生も日本の学生と一緒になって盛り上がり、楽しい一時を過ごすことができました。
授業が終わり、いよいよホームステイ先のお宅へお邪魔することになりました。中国の杭州からきた朱雨杭さんは加島彩惠子さんの家にお世話になりました。加島さんはイギリスに8年間もいましたので、英語がとても上手で、朱さんとは英語でやりとりしていました。
「すごく暖かくて素敵な家庭だと思います。加島さんのお母さんは英語がすごく上手で、コミュニケーションの問題はありません。自分の家に帰ったような気持ちです」と朱さんは話してくれました。
24日、中国の高校生たちは日本訪問の日程を終え、帰国の途につきました。
今回の日本訪問を通じて、彼らは日本に対する認識をさらに深めたと思います。中日関係の未来を担うのは若者です。この点から言えば、若者同士が交流を通じて、相手の国を理解することは非常に重要であると思います。 1 2
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