北京
PM2.577
23/19
2022年は十二支の寅年。中国人は昔から虎を崇拝し、正義、勇敢、威厳のあるものを虎と命名してきました。例えば、三国志の蜀の関羽、張飛、趙云、馬超、黄忠の5人の武将は、五頭虎の武将「五虎武将」と呼ばれました。2020年に、作曲家、タン・ドゥン(譚盾)さんがスマホゲーム「王者栄耀」の「五虎武将」英雄シリーズのために作曲した『王者栄耀・五虎武将交響曲』は、ゲームプレーヤーから愛されています。今週の中国メロディーはそんな『五虎武将交響曲』をお楽しみください!
『五虎武将交響曲』はタン・ドゥンさんが趙云、関羽、張飛、黄忠、馬超という五人の武将をモデルに創作したシリーズ音楽作品です。作品はそれぞれ奚琴(けいきん)、尺八、篳篥(ひちりき)、笙(しょう)、五弦琵琶の5種の楽器を用いています。これはそれぞれ仁、義、威、忠、勇という5つの伝統精神を代表しています。
タン・ドゥンさんはこの交響曲を作る際、敦煌石窟に行って、千年前の古代壁画を見学したことがあります。タン・ドゥンさんはその時の気持ちと作曲に対する思いについて、「壁画に描かれた古代の楽器を見ていると、楽器が奏でる美しい旋律が聞こえてくるような気がする。私の夢は、若者に愛されるゲームの世界で、忘れられてしまった伝統音楽を取り戻すことだ」と話していました。
『趙雲·奚琴神』
『五虎武将交響曲』の中で、趙雲のイメージは奚琴で表現されています。タン・ドゥンさんは「『三国志』を読んだとき、奚琴の深みのある音色は、趙雲の英雄的な気概を表現することができると思う」と話していました。
奚琴は古代中国北方の遊牧民族に由来し、今から1000年以上前の唐の時代に中原地区に伝えられました。奚琴の疾風のような音色が英雄の悲劇的な運命をよく表現しています。
『関羽·尺八神』
『五虎武将交響曲』の中でも『関羽・尺八神』は特にオススメの1曲です!三国志の重要人物・関羽のイメージは尺八で表現されています。
尺八は中国古代の呉越地方で流行し、隋・唐時代に最盛期に達した管楽器です。鈴のように澄んだ音色や絹のように繊細で優しい音色もあります。タン・ドゥンさんは「関羽の喜怒哀楽の世界に人を引き込むことができる」と話しています。
『張飛·篳篥神』
『五虎武将交響曲』の中で、篳篥は三国志のもう一人の重要人物・張飛のイメージを表現した楽器です。
篳篥は中国の伝統的な吹奏楽器で、音量が大きく迫力のある伝統楽器です。篳篥は唐の時代でも人気のある楽器だったようです。交響曲を背景に、篳篥の豪快な音色が張飛の勇猛な人物像と非常にマッチしています。
『馬超·五弦琵琶神』
三国志の武将の一人馬超の勇敢なイメージを表現するため、タン・ドゥンさんは敦煌壁画からインスピレーションを得て、五弦琵琶のリズム感を音楽に取り入れました。
五弦琵琶は、長い歴史を持つ撥弦類の楽器です。敦煌の壁画には反弾琵琶や五弦琵琶の絵があり、唐の時代で最も人気のあった楽器だということがわかります。譚盾さんは「五弦琵琶の音色は、馬超の人物像をよく表現していると思う」と話していました。