北京
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「農村振興」と「地方創生」をテーマとする「中日代表ユースフォーラム」が6日に開かれました。中華全国青年連合会と日本国内閣府の共同主催によるこのオンライン交流会には、両国の大学生・院生をはじめ、地方公務員、地方に根差したスタートアップ企業の創業者、農村で教育支援などをするボランティア、スマート農業の経営者、デザイナーなど、各分野の青年代表ら約70人が集まりました。
「中日代表ユースフォーラム」リモートによる記念撮影の一部
午前はゲストによる基調講演が行われ、午後には働き方、観光と伝統文化、教育、ボランティア、eコマースの5グループに分かれてのディスカッションが行われました。
eコマースのグループでは、故郷の寧夏ホイ族自治区銀川市で農村振興に取り組む邱佳蕾(きゅう・からい)さんの、農産品販売のオンラインショッピングイベントを企画・実施して3年間で7億回のページビューを達成した話や、河南省洛陽市で農場経営をする呉迪(ご・てき)さんの、スイカ農園にセンサーを設置することで水やり、施肥、花の間引きのタイミングを知り、スマートフォンで作業員に指示を出すという栽培システムの成功例と、大学や行政と連携して「小康農民講習所」を設立し、のべ30万人を対象に講習会を開いて年間1億2000万元(約21億3000万円)の経済効果を生み出したという事例の紹介が大きな反響を呼びました。
こうした中国側の発表について、日本側の参加者からは「デジタル技術について中国から学べることは多い」「若者が情熱をもって積極的に活動すべきだという考えが印象に残った」といった反応がありました。また、全体の総括で双方から最も多く挙がったのは、「相手の話から多くの気づきと学びを得られた」という感想でした。
フォーラム全体を見ると、会議ツール(Zoom)の機能を活用して参加者一人ひとりの情報が相互に分かるようにしたり、分科会の部屋分けを効率化したりするなど、リモートの壁を感じさせないスムーズな交流が実現していました。また、ディスカッションの冒頭ではアイスブレークを行って和やかなムードづくりをするなど、若者らしい工夫が随所に見られました。
「中日代表ユースフォーラム」リモートによる記念撮影の一部
両国の青年たちはWeChatのグループチャットを立ち上げて、今後も交流を継続する意欲を示しました。ある参加者は自身が運営するWeChat公式アカウントに今回のフォーラムを紹介する記事を載せ、「こうした交流が、より美しい世界の実現につながっていくはずだ」と発信しました。
「中日代表ユースフォーラム」は中華全国青年連合会と日本国内閣府が、「中日平和友好条約」の締結を記念して1979年から毎年開催してきた中日青年親善交流事業の一環です。コロナ禍の影響で、今年は去年に続いての2度目のリモート開催となりました。
(取材:王小燕、梅田謙)