北京
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ラサ市民の習慣として、毎朝、ミルクティー屋に通うそうだ。中国語では「甜茶」という。ラサ市セラ南通りにある創業35年の老舗「光明港琼甜茶館」を訪れた。
早朝の甜茶馆は常連客で満席だった。ラサ市民と直接話してみると、仕事前にここでみんなとミルクティーを片手に語ってから出勤するそうだ。ある男性のグループはチベットの伝統家具を作っている職人。また、あるグループはこの店の常連同士で、ここで知り合い、互いに照らし合わせることなく自然と集まる仲間だ。さらに親子で訪れている常連客もおり、娘はラサ市外の大学に進み、今は公務員試験に向けて準備中とのことだった。
年齢、業種問わず、様々な人たちが訪れる目的は一つ。朝の日課。「ここに来てミルクティーを飲まないと一日が始まったような気がしない」と、話を聞いたほとんどの人たちが口を揃えて語っていた。
経営者によると、35年前から変わらず、椅子と机は使い続け、ミルクティーの味は一切変わっていないそうだ。もし、少しでも味に変化が出た時には常連客たちが真っ先に気づく。ミルクティーはラサ市民の生活の一部であり、ラサ市民の心の味と言えるだろう。
変わらないための努力を重ねた結果、毎日、飲み飽きることないミルクティーを片手に常連客は話に花を咲かせることができる。ここは一日の英気を養う憩いの場所なのだ。朝の甜茶文化は一つのチベット・ラサ文化として、これからも何十年に渡って現地のラサ市民の朝を始める場所となることだろう。(日本人記者:星)