北京
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ここ数年、伝統の趣に富んだポップミュージックが若者の間で人気を集め、海外のネットユーザーもTikTok(ティックトック)などの新しいSNSを通じて、中国のポップス曲に魅了されています。今回の中国メロディーでは海外のネットユーザーに喜ばれるオリエンタル調の流行歌をご紹介しましょう。
「一剪梅」
ベテラン男性シンガー・費玉清さんの「一剪梅(一枝の梅)」は中国でカラオケの定番曲としても絶大な人気を誇っています。この曲は昨年6月に欧米の音楽界で大ブレイクし、多くの国の音楽ランキングで上位にランクインしました。名手が集まる欧米の音楽界で、中国語の歌が音楽ランキングにランクインすることはほとんどないため、「一剪梅」のヒットは話題となっています。
この歌がヒットしたきっかけは、「雪花飘飘,北风啸啸(雪に吹かれて北風が吹きすさぶ)」という歌詞でした。TikTokのあるブロガーがこの曲のビデオを投稿し、「雪に吹かれて北風が吹きすさぶ」という歌詞の意味を、「人生はどん底に達したが、何もできなかった」と説明しました。新型コロナ禍の影響で、このような運命の無常を嘆く歌詞が特に共感を呼んだのかもしれません。このTikTok動画を称賛したユーザー数はなんと200万人を突破し、この歌詞も流行語になりつつあります。
もちろん、30年前の歌が再び流行したのも、費玉清さんの抜群の歌唱力と大雪の映像が感動的だったからでしょう。外国のネットユーザーは、「この歌は、カンフー映画のエンディングテーマのようで、歌声、メロディー、リズム……すべてが完璧だ」と称賛しました。
「蘇幕遮」
2月8日、あるユーザーがTikTokに中国語の歌の動画を投稿しました。この歌にはまもなく10万「いいね」が寄せられ、多くの人がこの曲の名前を尋ねました。作者は「su mu zhe(蘇幕遮)」と答えました。
「蘇幕遮」は若手女性シンガー張暁棠さんが2012年にリリースしたアルバム「盛世好风光(美しい風景)」の一曲で、中国の古詩の音韻に基づいて作詞された作品です。その美しいメロディーに京劇の節回しなど伝統演劇の要素を取り入れ、さらにショートムービーの形を通してTikTokでブレイクしました。海外のネットユーザーは「張暁棠さんの洗練された歌声を聞いていると、目の前に美しい東洋の少女が夕日の残照の中でひらひらと踊っているシーンが浮かんでくるようだ。特に美しい京劇の節回しを聞くと、本当に感動した」とコメントしました。海外のネットユーザーは東洋の趣に富んだこの音楽に魅了されているようです。
「芒種」
「一剪梅(一枝の梅)」や「蘇幕遮」のほか、多くの中国のポップス曲がTikTokで 人気を集めています。例えば、趙方婧さんの「芒種」は海外でヒットし、海外での累計再生数はすでに1億回に達しています。
「芒種」の曲名は二十四節気芒種にちなんで名付けられました。曲は幸福を収穫し、希望を撒くという「芒種」の本来の意味から、恋への憧れを表しています。趙方婧さんの甘い歌声は美しくて悲しい東洋の趣を歌っています。また、伝統音楽と電子音楽をうまく融合させたユニークな編曲は深い印象を残しました。特に、冒頭部分で口ずさまれるメロディーは際立つ魅力と活気を表しています。
この曲は中国の有名な音楽授賞式・第27回東方風云榜音楽祭典でシングル曲ベスト10を受賞しました。