【観察眼】全人代いよいよ開幕　「中国ソリューション」　から目が離せない

　一年の計は春にあり。今週、中国人にとって政治生活における一大事――第13期全国人民代表大会第4回会議と全国政治協商会議第13期第4回会議がそれぞれ5日と4日に予定通り北京で開かれる。

　2021年は中国の第14次五カ年計画（2021－2025年）スタートの年で、中国共産党創立100周年を迎える。「二つの百年」という歴史の交差点に立たされ、ポストコロナの中国がいかに経済発展と感染症対策をバランスよく徹底させるのか、いかに国際防疫協力に最善を尽くすのか、全人代と政協会議で発表される中国のソリューションは世界で脚光を浴びている。

　過去1年、新型コロナウイルス感染症は世界で猛威を振るい、グローバルな政治と経済に大きな衝撃とダメージをもたらした。このような背景下で、中国が期日通りに全人代と政協会議を開催すること自体、感染症との戦いで収めた一大成果と言えるだろう。感染症のダメージを受け、去年の全人代で発表された政府活動報告には、GDP目標が設定されなかった。しかし、コロナ禍のダメージを受けながら、国内外から厳しく複雑な試練に晒されても、中国経済は圧力に耐えてきた。国家統計局が2月28日に発表した2020年国民経済と社会発展統計公報によると、2020年、中国の国内総生産（GDP）は101兆6千億元で、経済総量は1兆元の大台を突破し、経済成長率は前年比2.3％伸びて、世界で唯一プラス成長を実現した主要経済体となった。

　中国経済の回復と安定した運営により、今年の全人代で行われる政府活動報告でGDP目標が「復帰」するかどうかは、国際メディアによって熱く議論されている。確かに、GDPは一国の経済運営メカニズムを評価する重要な指標であり、マクロ経済政策を策定する基本的な依拠でもある。しかし、今日の中国では、質の高い発展理念が日増しに浸透している。近年の政府活動報告で、GDPへの注目が薄まった一方、経済社会の評価基準は発展の質と効率に絞られている。例えば、去年の政府活動報告では「六穏・六保（六つの安定と六つの確保）」（雇用安定・金融安定・対外貿易安定・投資安定・計画安定と就職確保・国民生活の確保・市場主体の確保・食糧とエネルギー安全の確保・産業チェーンとサプライチェーンの確保・基層部運営の確保）など、経済社会の発展に関するソフトな指標が相次いで打ち出され、国民に経済社会の発展からもたらされる福祉や温もり、幸福感をよりいっそう実感させた。

　また、2020年、中国は1兆元の感染症対応特別国債を発行し、これは新中国成立以来3回目となる特別国債の発行となった。コロナ禍による個人や企業へのダメージを軽減させるため、2020年、各種の税金や費用・コストなど2兆5千億元が減免され、新記録を更新した。国内における感染症の鎮静化により、これら特別な手段や刺激策は、いつ、どんなあり方で歴史の舞台から退くのか。ポストコロナの時代、感染症対策の徹底と経済回復の促進を上手く両立する前提で、国内と国外の双循環を構築する新しい発展枠組の中、第14次五カ年計画の実施に伴い、今年の全人代と政協会議では、またどんな新しい政策措置や優遇策が打ち出されるのか。また、いかにイノベーションの活力を活性化し、対外開放をよりいっそう拡大しながら、グローバルな防疫協力を推し進め、世界経済の回復をけん引していくのか……これらの問題はいずれも世界各地にいる中国の協力パートナーが関心を寄せている問題だろう。

　世界の注目を集めながら、今年の全人代と政協会議の幕がいよいよ開かれる。危機から新しい機会を探り出し、変局から新しい開局を切り開く。中国のソリューションには目が離せない！（CRI日本語部論説員）