北京
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中国の習近平国家主席は北京で14日夜、欧州連合(EU)の輪番議長国であるドイツのメルケル首相、欧州理事会のミシェル議長、欧州委員会のフォン・デア・ライエン委員長とのテレビ会談に臨みました。指導者らは中国と欧州の関係について踏み込んだ意見交換を行い、発展の方向性を検討し、重点分野を決めました。
人民大会堂にあるテレビ会議前の会場
習主席は「新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、世界で進行中だった極めて長期にわたってに見られなかった大きな変局を加速した。人類は新しい十字路に立たされている。中国と欧州は揺らぐことなく全面的戦略的パートナー関係の健全かつ安定した発展を堅持し、平和共存や開放協力、多国間主義、対話と協議を堅持する必要がある」と強調しました。
ポストコロナ時代に入ってから、中国と欧州の関係はいかに発展するのでしょうか。史上初の中独欧指導者テレビ会談は世界に向けて明白なシグナルを発信することになりました。
テレビ会談を行う中独欧の指導者
同会談で双方は「中国・欧州地理標識協定」を締結しました。地理標識とは製品の生産地を表す重要な表示です。同協定によれば、EUは安渓鉄観音、五常米、安吉白茶など中国初の100種の著名な地理的表示を保護するので、模造などの侵害行為が効果的に防止されることになります。同時に、フランスのシャンパン、アイリッシュ・ウイスキー、パルマハムなどEUの良質で特徴ある産品も、高い水準の保護を受けつつ中国市場に進出することになります。
それ以外に、中国・欧州投資協定の交渉も双方が非常に重視する議事日程です。中独欧の指導者は14日の会談で、中国・欧州投資協定の交渉の加速を改めて確認し、年内に交渉を終結させることを目標にすると、改めて申し合わせました。この合意は、中国・欧州自由貿易協力プロセスの早期始動の前触れでもあります。
中国と欧州側は同会談で、環境気候ハイレベル対話とデジタル分野ハイレベル対話のメカニズムを確立し、中国・欧州グリーン協力パートナーやデジタル協力パートナー関係を築いていくことも決めました。
習主席はこれらの決定について、世界的な気候変動と生物多様性の保護についての多国間プロセスに前向きに加わり、世界の持続可能な発展に寄与していくと表明。世界のデジタル分野の標準やルールの制定を推し進めることで、世界のデジタル経済の良好な発展を促進していくことに期待を示しました。(Mou、鈴木)