北京
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貴州省畢節市威寧自治県にある草海
貴州省畢節市威寧自治県にある草海は、貴州省最大の天然淡水湖です。ここは完全な高原湿地生態系が保たれており、面積は46平方キロメートルを超え、オグロヅルなど228種の鳥類の重要な越冬の地であり中継地ともなっています。ここはかつて占用・破壊され、深刻な状況になっていましたが、ここ数年の大規模な修復を経て、かつての鳥類の楽園が再びよみがえったのです。秋や冬になると、草海では様々な鳥の囀りが聞こえます。国家1級保護動物に指定されているオグロヅルだけでも2000羽が生息しています。
草海の湿地周辺に住んでいた洪慧寧さんは、破壊されていた湿地の当時の様子を振り返って、「人と鳥が場所を取り合って、湿地がどんどん縮小して、最も狭いときはわずか5平方キロメートルしか残らないほどだった。生活排水はそのまま湿地に流れていた」と話しています。
「湿地の水を外に出して畑にしようとしました。動物は住処を無くし、ほかの場所へ沢山逃げていきました。当時、仕事が終わって主人とよくここに散歩にきましたが、水が濃い緑色になって臭かったです」
湿地の復元作業が始まったのは2015年のことでした。まずは周辺の畑を湿地に戻すこと、そして周辺の住民に移住してもらわなければなりません。洪さん一家もその時に、町に引っ越しました。5年が経ったいま、洪さんは草海の汚水処理場で働いていることを誇らしく思っています。
「これは貴州省のモニター装置です。ここで汚水が放流できるように処理されます」
臧慶寧さんが草海の鳥類保護チームに入ったのは3年前の2017年でした。朝、小船を漕いで出発し、鳥の観察や保護活動を行ったり、餌をやったりするのが日常の仕事です。臧さんのお父さんも生涯鳥類の保護に従事していました。お父さんの仕事を受け継いだ臧さんは、いまになって鳥を守るためにいつも家にいなかったお父さんの気持ちをつくづくわかるようになったったといいます。
「お金をもらえなくても、ツルが来れば当然守りますよ。これは僕が果たすべき責務ですから」
現在、鳥の楽園に戻った草海は、観光の名所にもなっています。威寧自治県の貧困発生率もここ数年18.6%から2.7%まで下がっているということです。
「小康社会に向かう中国人の暮らし」今回は「鳥の楽園」によみがえった貴州省草海の様子についてお伝えしました。お相手は王秀閣でした。ではまた来週。さよなら。(閣、CK)