習主席、第19回上海協力機構（SCO）首脳理事会で演説

ビシュケクの公園。SCOメンバー国の国旗がはためく

　第19回上海協力機構（SCO）首脳理事会が14日、キルギスの首都ビシュケクで開かれ、習近平国家主席やインドのモディ首相、カザフスタンのトカエフ大統領、キルギスのジェエンベコフ大統領、パキスタンのイムラン・カーン首相、ロシアのプーチン大統領、タジキスタンのラフモン大統領、ウズベキスタンのミルズィヤエフ大統領が出席しました。

　習主席は会議で、「力を合わせて実務を行い、SCOのすばらしい未来を作り上げよう」と題して演説をしました。「上海精神」から智恵を汲み取り、団結や協力から力を得て、SCOを団結で信頼し合い、安否を背負い、互恵共栄、包括的で学び合う手本とし、手を携えてより緊密な運命共同体としていくことを強調しています。

　習主席は演説で、「青島サミット以来、SCOのメンバー国は『上海精神』を手引きに各分野で協力を深め、新たなスタートからの発展を後押しした。現在、国際情勢が激しく変化しているが、平和、発展、協力、ウィンウィンという時代の流れは逆戻りしない。われわれは、『上海精神』から智恵を汲み取り、団結や協力から力を手に入れ、手を携えてより緊密な上海協力機構共同体を構築し、建設していくべきだ」と強調しました。

　習主席はまた、上海協力機構（SCO）の発展に向けて、以下四つの点を取り上げました。

　まず、団結し信頼し合う組織とすることです。『上海精神』を中心的な価値で共通理念とし、『SCO憲章』と『SCO加盟国長期善隣友好協力条約』の主旨や原則を守り、政治的相互信頼や相互の支持、利益の共通点を拡大していくということです。

　二つ目は、安否を共に背負う手本にすることです。「共通・総合・協力・持続可能」という安全観を持ち、テロや分裂主義、過激主義の取り締まりへ様々な策を講じ、過激主義の取り締まりへ連携を強化し、アフガニスタンの平和、和解、安定、発展の早期実現へ建設的な役割を果たしていくということです。

　三つ目は、互恵共栄の手本にすることです。貿易や投資の自由化、利便化について制度的な取り決めをさらに設け、中国国際輸入博覧会などの協力や共有の場を活用して、地域経済をさらに開放し、交流や融合を進めていくということです。

　四つ目は、包括的で学び合いの手本にすることです。文化や教育、観光、スポーツ、メディアなどで協力を絶えず深めていくということです。

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　習主席はまた「SCOは、『共に話し合い、共に建設し、共にシェアする』というグローバルガバナンスを堅持し、協調や協力を密にして、国連を中心とする国際体系を擁護し、多国間主義や自由貿易を促進し、世界秩序をより公正で合理的な方向へと進めていくべきだ。また世界や国際問題でより積極的な役割を果たし、共に世界の恒久平和や共同繁栄に力を入れていくべきだ」と指摘しました。

　会議に出席した各国の首脳らは、多国間主義を堅持し、国連憲章と原則を守り、国際法に基づいた新たな国際関係の確立や人類運命共同体の構築を改めて強調しました。

　また「一帯一路」構想について、多くの首脳が得られた成果を高く評価し、改めて支持し各国の発展戦略と結び付けることを強調しました。

　さらに各国首脳は、「地域の安全や安定と持続的な発展を維持し、テロリストや分裂主義、国際間の組織的犯罪を厳しく取り締まり、麻薬などの脅威に共に対応していく」と述べました。また、アフガニスタン問題については、「地域の安全に及ぶものであり、SCOは政治的な解決へ重要な役割を果たすべきだ」とのことで意見が一致しました。

　なお、次回の首脳理事会はロシアが議長国として開催することを決定しました。

　会議では、「ビシュケク宣言」や情報通信技術、麻薬取締り、地方間協力など13件の協力文書が調印されました。（藍、森）