北京
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全人代代表である白春礼中国科学院院長(撮影:李晋)
「嫦娥」月探査プロジェクトや体細胞クローン猿、核破砕中性子源(CSNS)など、ここ数年、中国独自の開発によるテクノロジーの成果が著しい進展を見せ、好評を博しています。このほど、北京で開かれている全人代年次総会に参加中の科学技術界の代表らがCRI記者のインタビューに答え、中国の特色ある科学技術の発展についてそれぞれの考えを披瀝しました。
全人代代表を務める中国科学院の白春礼院長は、「ここ1年、中国の科学技術のイノベーションは点のブレークスルーから、システマティックなアップグレードへ、量の変化から質の変化へと変革を遂げてきた」と述べ、特に基礎研究や基礎応用分野での成績を高く評価しました。
全人代代表である中国科学院上海分院の王建宇院士(撮影:李晋)
2016年8月、中国は世界初の量子科学実験衛星「墨子号」の打ち上げに成功しました。このプロジェクトの常務副総設計士であり、全人代代表の中国科学院上海分院の王建宇院士は、「墨子号の成功は、十年かけて一本の剣を鍛造するような地道なものだが、中国の改革開放政策と、中国の特色ある科学研究サポート体制が、最終的な成果の獲得を支えてくれた」と述べました。王院士は「科学イノベーションの思想はまさに魂であり、改革開放はわが国の基礎研究と科学イノベーションの魂の誕生により好条件を与えてくれ、研究の環境は世界から閉ざされることはなかった。また、ここ数年、政府の科学技術へのサポートや科学技術の発展は、いずれも特徴的なものだった」と述べました。
重要な科学技術戦略製品や、要となる共有技術、大型プロジェクトのブレークスルーを促すため、政府は「国家中長期科学技術発展計画綱要(2006-2020)」を策定し、16項目の国家重要大型科学技術プロジェクトを定めました。2017年に初飛行を果たした中国の国産大型旅客機「C919」はそのうちの一つです。
全人代代表であり、C919大型旅客機の総設計士を務める中国工程院の呉光輝院士(撮影:李晋)
全人代代表で、C919大型旅客機の総設計士である中国工程院の呉光輝院士は、「大型旅客機プロジェクトは中国の装備製造業の代表であり、中国の航空工業、装備製造業をリードし、製品から産業への発展を実現させた。そのうち、『開放』は大型機が一連の成功を収めることにつながった重要な要素の一つだ」と述べました。
2019年は中華人民共和国成立70周年の年であり、中国の第13次五カ年計画の実施における要の一年でもあり、一連の国家重要科学技術プロジェクトの任務が最終段階に差し掛かっています。これについて、科学技術部の王志剛部長は、全人代での取材で、「中国における基礎研究の強化は揺るがぬ方針で、今後ともリソースの投入を拡大していく」と述べました。(Lin、む)