中国の「協力体制」はエネルギーを発揮しつづける

　毎週土曜日にお送りしている「チャイナビジョン2019」。この番組では、新たな時代を迎えた中国に様々な角度からスポットを当て、最新の中国事情をお届けします。今週は、現在開催中の政治協商会議による「協力体制」の役割についてお伝えしていきます。

　今週のお相手は私、王洋です。

　毎年の春3月は、全国人民代表大会（全人代）と中国人民政治協商会議（政協）の年次総会が同時期に開催される、中国の「両会議の季節」です。「両会議の季節」は中国が1年間の発展を計画する鍵となる時期であるだけでなく、「両会議」は世界が中国を観察する重要な窓でもあります。

　現在の世界を見渡せば、政治上の分裂が発生する国も珍しくありません。例えば米国ではしばらく前に、議会での党派争いが過去に例のない政府の長期停滞を招きました。政治上の分裂が経済の衰退や衝突をもたらす国や地域もあるほどです。いかなる国家にとっても、また与党であるか野党であるかに関係なく、国家統治についての広範な合意と、全国民が協力する状況を追求することは、とりわけ大切です。

　中国は世界で最も人口の多い国であり、民衆の利益の方向性は相当に多元的です。しかし、中国人には一つの普遍的な合意事項があります。それは、中華民族の偉大なる復興を実現させることです。中国共産党が指導する多党協力と政治協議の重要な機関として、政治協商会議は中国において、中央の政策決定層と社会の各界の間の合意を煮詰め、協力を形成し、国家の発展を推進し、民族復興に至る懸け橋を形成する重要な役割りを果たしています。

　政治協商会議の二大テーマとは団結と民主。政治協商会議のメンバーである委員は中国の社会各界から送り込まれることで広範な代表性を備えており、政治協商会議という組織が中国の社会各界の力を団結させる上で、決定的な役割りを果たします。2018年3月からの5年間が任期である第13期中国人民政治協商会議の場合、2000人以上の委員のうち共産党出身の委員は39.8％、非共産党委員は60.2％です。非共産党委員は、それぞれ中国民主8党派、中華全国工商聯合会、無党派、さらに各業界の傑出した人物、少数民族や宗教界、さらに文化やスポーツなどの専門家の代表として選ばれた人物です。政治協商会議のもう一つの際立った特長とは、多くの委員が各分野の精鋭であることです。彼らは自らの専門性を携えて積極的に政治に参画し政治を議論します。

　中国の国家統治体系の重要な構成部分として、政治協商委員の職責とは国家の発展というこの中心的な任務を巡って政治を議論し提言することです。経済社会の発展と人民の生活の改善についての焦点、困難な点、欠点や問題は、全国に設けられている各レベルの政治協商会議と会議委員会の仕事の重点的な対象だ。例えば、昨年の「両会議」においては、香港から選ばれた全国政治協商会議委員は「（資金と人、政策の流れをよくする）三通と広東・香港・マカオグレーターベイエリアの建設について」と題した提案を提出しました。中国でしばらく前に正式に発表された「広東・香港・マカオグレーターベイエリアの発展計画綱要」は彼らの意見と提案を取り入れたものでした。統計によれば、第13期中国人民政治協商会議が発足して以来、委員らの提案は5360件で、現在までに提案が反映され立案に至った案件は全体の99.2％に達しました。

　今年は新中国成立70周年であり、人民政治協商会議の成立70周年でもある。70年の歴史過程は、人民政治協商会議が提言と献策をし、共に国家大計を協議する重要なプラットフォームであることを証明しています。人民政治協商会議は中国で最も広範な愛国統一戦線組織であり、良好な外部環境を提供することで国家の発展に対して重要な貢献をしています。

　世界にある民主とは決して、ただ一つのモデルだけがあるのではない。人民代表大会と政治協商の制度は中国の経済社会の発展に絶えることのない動力を提供しています。

　チャイナビジョン2019、今週は、中国人民政治協商会議による「協力体制」の役割についてお伝えしました。

　お相手は王洋でした。